中学受験ノウハウ 連載 塾のトリセツ

親泣かせ…増えすぎる塾のプリントやテキストの管理はどうすればいい?|中学受験塾のトリセツ#04

2023年1月17日 天海ハルカ

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進学塾ではプリントやテキストなど大量の教材が配られます。

すべてを取っておくのが理想ではありますが、数が多すぎてさすがに難しいですよね。

我が家でも大量のファイルにまとめたり、塾の教材用に本棚を整理したりするなど、日々苦心しながら整理しています。

さて、進学塾には、四谷大塚などのように1年間あるいは半年間といった期間の学習範囲を1冊にまとめて主なテキストとして進める塾と、 サピックスのように毎回配布するプリント教材を主なテキストとして進める塾があります。

通塾のたびに配布物があると、増え続ける教材の保管場所に頭を悩ませてしまいますよね。

この記事では、特に毎回配布される教材の管理に困る保護者さんに向けて、教材の取捨選択と管理のコツを解説します。

すべてをとっておく必要はない!

塾で配布される教材を大まかに分けると、以下のようになります。

① メイン教材となるテキストや単元ごとのプリント(授業のメインで使う教材)

② 副教材となるテキストやプリント

 (サピックスでいう「コアプラス」のような、ずっと使える問題集や資料集)

③ 演習問題・復習問題

④ テスト(単元のまとめテストやクラス分けテストなど)

結論からいうと、①メイン教材と②副教材以外は、処分しても問題ありません!

塾側は、途中入塾や欠席した生徒がいることを考え、全員が過去の教材すべてを持っている前提で授業はしませんので安心してください。

また、本格的な受験勉強は4年生からはじまるため、3年生までのものは①②を含めて学年終わりにすべて処分してしまっても、中学受験で困ることは少ないはず。

4年生以降は取捨選択して、活用しやすい最低限のものだけを残しておきましょう。

①【メイン教材】残すべきは「初めて学ぶ単元」

まず、残しておきたい教材は、メイン教材、つまり、テキストです。

サピックスのように毎回メイン教材を配布する塾では、メイン教材の中でも取捨選択をすることで、残すべきものをぐっと減らせます。

この、残すべきものとは「はじめて学ぶ単元の教材」です。

「はじめて学ぶ単元の教材」を残しておくと、概念を思い出す・再確認するために使うことができます。

たとえば、クラス分けテストで「旅人算」が出たけれど、しばらく勉強していなかったから忘れてしまった…。

こんなときに、「旅人算」とは何か・どう使うのかを復習するためには、その単元がはじめて出てきたときの教材があると便利です。

新単元の概念や解き方、覚えるべきものが載っている教材を優先して残す。

つまり、参考書として使うということですね。

必然的に、算数・理科・社会は残しておく教材が多くなり、練習問題がメインとなる国語は残す教材が少なくなります。

また、処分できるのは復習問題や演習問題が多くまとまっている回の教材です。

問題を多く解く回は、夏期講習や冬期講習の前に挟まれることが多いので、講習のタイミングで教材の内容を確認して本棚をすっきりさせましょう。

②【副教材】残すべきは「受験まで使うもの」

副教材は大きく分けて2種類あります。

「資料として受験まで使うもの」と「家庭で勉強するためのもの」です。

例を挙げると、サピックスの「コアプラス」は受験まで使う副教材なので、もちろん残しておきます。

しっかり使いこんだ副教材は、入試当日まで大きな力になってくれます。

一方、家庭で勉強するための副教材とは「復習問題や演習問題がまとまっているもの」です。

「4年生の間に終わらせましょう」「夏休み中にやりましょう」といったように、取り組む期限を設けて渡されることもあります。

これらの教材は、家でしっかり勉強し、必要なら塾の先生にチェックしてもらったら処分してよいものです。

 ただし、まれに「授業では使わないが授業のテスト範囲には含まれる教材」があります。

たとえば、サピックスでは、家庭で学習することを前提に、授業では使わない副教材(漢字や言葉の問題集)を配布し、そこからテストを出す、ということをします。

これは処分するとテストで困ってしまうので、気を付けてくださいね。

③【テスト】分析と復習が済んだら処分OK

復習テストやクラス分けテストなど、塾のテストは分析と復習を終えたら処分してよいものです。

まずは苦手な科目や単元を分析し、今後のスケジュールで重点的に補強します。

間違えた問題はすべて復習できると良いのですが、正答率が低いものは無視してしまって構いません。

そのぶん、確実に点数を取っておきたい問題に時間を使いましょう。

テストは現在の理解度と成績を確認するものです。

分析と復習が済んだら役目は終えた、と考えて大丈夫ですよ。

④  【演習問題・復習問題】見直し後、処分OK!

授業で使った演習問題や復習問題は、間違えた問題のみ確認して解けるように理解しましょう。

再提出の指示が特になければ、そのまま処分してしまいます。

繰り返し解くことで力になるのは確かなのですが、解く問題は今後も塾でたくさんもらえるため無理に残しておかなくても大丈夫です。

おすすめの管理・保管法

スキャンしてデータ化するという方法もありますが、手間がかかりすぎます。

勉強しながら使うことも考えると、もらった教材をそのまま保管するのが一番楽で使いやすいでしょう。

取捨選択のタイミング

多くの塾では定期的にクラス分けテストがあります。

間隔が短いところでは、月に1度というサイクルでテストが行われます。

多くの場合、直近で学習した内容がテスト範囲となります。

このクラス分けテストをひとつの区切りとして、習った単元を復習し、終わったらそこまでの教材を取捨選択して整理する……というのがちょうど良いタイミングでしょう。

ただし、忙しくてなかなかできないということも多いと思います。

その場合は夏期講習、冬期講習、進級のタイミングでもよいですね。

整理が追いつかず積み上がってしまう場合は、とりあえず科目ごとに仕分けしておくと、後でラクに整理できますよ。

科目ごとにファイリング

すべてをそのまま本棚に並べても良いですが、科目ごとにファイリングすると、目的の教材を探しやすくなります。

私は100円ショップで買えるA4の幅広2穴リングファイルを使っています。

教材に穴をあける手間はありますが、科目ごとに色も変えているので見やすく使いやすいです。

穴を開けたくない場合は、A4のファイルボックスに科目ごとに放り込むのでもOKです。

保管場所

教材の保管場所は、普段勉強するところに近い場所を選びます。

我が家では娘の勉強場所がリビングなので、リビングにある納戸に教材を収納しています。

問題に詰まったとき、知識を忘れてしまったときにすぐ見に行けると、復習へのハードルが低くなって効率も上がりますよ。

取捨選択でおうちスッキリ!

塾で配布された教材は取捨選択し、後で使うものだけとっておきましょう。

必ず残しておくのは、はじめて学ぶ単元のメイン教材と、受験まで使う副教材。

取捨選択のタイミングはクラス分けテスト、もしくは講習や進級の時期に。

細かいファイリングやラベリングをしながら保管できるのが理想ですが、時間が取れずに山積みしかできなくなってしまうともったいない!

親子ともに使いやすく片付けやすい保管法を決め、無理なく続けていってくださいね。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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