中学受験ノウハウ 連載 塾のトリセツ

塾の宿題が多すぎる!家庭でこなせないものはどうすればいい?|中学受験塾のトリセツ#03

2022年12月27日 天海ハルカ

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「塾の宿題が多すぎる!」というお悩みは、多くのご家庭からいただく相談です。

学校のあとの通塾だけでも大変なのに、塾の宿題をして、さらには予習や復習までこなそうとすると、寝る時間もなくなってしまいます。

この「宿題が終わらない問題」を解決するためには、どんなアクションを取ればよいのでしょうか?

まず、私が保護者のみなさんにおすすめするのは、どのくらい宿題があるかを再確認すること。

子どもは、やらなくてよい範囲まで宿題だと思いこんでいるケースが意外に多いんです。

本当に必要な宿題を正しく把握してから、スケジュールを作って毎日コツコツ進めましょう。

もちろん、塾に相談してみるのもひとつの手ですよ。

この記事では、宿題をやり残してしまうというお子さんが上手に塾の宿題を進めるために、保護者ができるサポートについて解説します。

塾によって宿題の量や内容は大きく違う

塾の宿題とひとくくりにしていますが、宿題の量は塾によって大きく違います。

さらに、同じ塾でもクラスや先生によって量が変わることがあるため、クラス替えがあると、急に宿題の出し方が変わって対応を迫られることも

中学受験の勉強は4年生から本格化することもあり、とくに4年生のはじめに宿題に関する悩みが増えるように思います。

地域差はありますが、学校の宿題も、おそらく4年生ぐらいから増えてくるのではないでしょうか。

学年が上がるにつれて通塾日・通塾時間も増えるので、やり方をよく考えないと時間がなくなる一方です。

がむしゃらに頑張ることもすばらしいですが、山のような宿題をこなすには、効率も重要ですね。

塾の宿題が終わらない原因

「塾の宿題が多すぎる」と感じても、実は「多く見えているだけ」で、別の理由が隠れているケースもあります。

たとえば我が家では、子どもをじっくり観察したところ、「目標が高すぎる」「集中力が足りない」という2つの原因があることがわかりました。

この章では「宿題が終わらない!」を引き起こす、隠れた原因4つをご紹介します。

1. 宿題を間違えている

塾講師をしていて感じるのは「宿題の内容や範囲をすべての子どもに正しく理解させることは案外難しい」ことです。

口頭で指示をし、黒板に書き、写すように言っても、その通りやってこない子は意外と多いのです。わざとではなく、勘違いしたまま、宿題をはじめてしまうのです。

たとえば、「テキストの10ページまでやってくる。ただし6~8ページは難しいのでやらなくてよい」と言ったのに、6~8ページを含む10ページ分をやってきて、他の科目が終わらないというケースには、たびたび遭遇しました。

プリント1枚をもらって、解いて持って行くだけなら間違えませんが、ページや問題番号の指示を聞き取るのは、経験の浅い子どもにとっては難しいことのようです。

また、子どもは、「時間があれば」「全部終わったら」などの仮定条件を聞き逃すことも多いです。

「時間があれば5ページもやりましょう」は「5ページもやる」と変換してメモしてしまいがち。

その結果、やらなくていい範囲まで必須だと思いこみ、宿題が終わらなくなってしまうのです。

2. 目標が高すぎる

正しく宿題の内容を把握していても、目標が高すぎると、宿題が終わらなくなってしまいます。

これは、子どもよりも、保護者がはまりがちな落とし穴です。

「目標が高い」とは、たとえば塾で指定された範囲を全問満点になるまで繰り返すなどです。

もちろん、これは悪いことではありません。

しっかり理解するまで繰り返すのはとても大切ですし、その積み重ねが実力になります。

しかし、宿題は毎週出されるので、ある程度割りきって進めなければ、パンクしてしまいます。

3. スケジュールを立てられない

子どもは長期スパンでものごとを考え、タスクの優先順位をつけるのが苦手です。

自分ひとりでは、1日分の勉強スケジュールすら立てられない子は多いでしょう。

我が家の娘も「この番組を見終わったら」と勉強を後まわしにし、寝る前に焦るということが多々ありました。

また、2日後に提出するものではなく、1週間後が締切のものから手を付けてしまい、毎日勉強しているはずなのに期日までに終わらないということもよくあります。

 多くの子どもにとって、スケジュール作成は無理である、と思ったほうがよいですね。

4. 子どもの集中力が足りない

宿題の量は多くないはずなのに終わらないというケースは、子どもの集中力不足が原因かもしれません。

たとえば、テレビを見たり音楽を聴いたりしながらやっている、カラーペンやはんこで凝りに凝ったノートづくりをしている、などの理由で時間がかかってしまうのです。

もちろん、途中で飽きてしまって、頭が勉強に向いていないこともあります。

集中して取り組まないと、いくら時間があっても宿題は終わりません。

集中力と、それを持続させる環境が重要です。

塾の宿題の上手な進め方

宿題が終わらない原因をなんとなくでもつかめたら、その原因をつぶしていきましょう。

改善策にはすぐに結果が見えるものもあれば、時間がかかるものもあります。

お子さんの様子を見ながら進めていけるとよいですね。

1.宿題を正しく把握する

塾からの宿題がはっきりしない場合、まずは指示された宿題を正しく把握することから始めます。

授業で先生が指示するなら、しっかりメモをとってくるよう、あらためて子どもに言いましょう。

宿題をメモするためだけのメモ帳を持たせるのもひとつの手です。

前回と比べて明らかに量が違う場合に気づけますし、メモを忘れても、今までの傾向を見て、だいたいの予想がつくこともあります。

どうしても子どもがメモしてこないようなら、直接塾に聞いてみるのもよいですね。

子どもがメモした宿題の内容は、慣れるまでは親が確認してあげてください。

「1~3」と書かれていても、それがページ数なのか問題番号なのか、本人が理解できていないこともあります。

さらに、「絶対やらなければならないこと」と「余裕があればやること」のラインもしっかり把握しましょう。

「余裕があれば」と指示されたものは応用問題であることが多く、その科目が得意で時間のある子がチャレンジすればよいものと考えてください。

宿題が終わらない子は、まず「絶対にやらなければならないこと」をきっちり終わらせ、そのうえでほかの宿題を終わらせ、それでも時間が余ったときに「余裕があれば」の勉強に手をつけましょう。

2.塾の先生に相談する

宿題の量をきちんと把握した結果、やっぱり多い!

そう思ったときは、そのまま塾に相談してみてください。

実際に私が勤めていた塾でも、とくに4年生のはじめは「宿題が終わらない」という電話を多くいただきました。

訊いてみると、子どもはちゃんとメモをしているつもりだったが、実際はなにかカン違いをしていた、というようなこともわかるかもしれません。

また、塾の宿題は集団に対して出しています。

塾としては得意不得意の中間地点を想定して宿題を考えているため、苦手な子にとっては、大変な量と感じられてしまうのです。

しかし、苦手な子にとっては、無理してたくさんの問題にあたるよりも、少ない問題にじっくり向き合うほうが効果が高い場合もあります。

個別に相談すれば、「実践問題はやらなくてもいいから、基礎問題を2回やりましょう」といったアドバイスがもらえるかもしれません。

人数の多い集団授業では、どうしても、全員にオーダーメイドの宿題というわけにはいきません。

講師の立場では、保護者の方に言われなければ気づかないということもあるので、困ったときは、ぜひ相談してみてくださいね。

3.スケジュールを無理なく立てる

今までスケジュールを立てていなかった、もしくはざっくりとしか計画していなかったなら、ぜひこれを機に、しっかりしたスケジュールを作ってみてください。

しっかりしたスケジュールとは「やるべきことを均等に割り振って、細かく無理なく作ったスケジュール」を指します。

均等に割り振るというのは、科目をばらけさせるということです。

たとえば「土曜日は算数、日曜日は国語」ではなく「土曜日も日曜日も算数と国語を半分ずつ進める」というように、科目の偏りをできるだけなくすということです。

トータルでの勉強時間が同じなら、その科目に触れる回数が多いほど、知識は定着します。

漢字や年号などはわかりやすいですが、たとえば算数の特殊算や理科の天体なども、仕組みを考える機会を増やすことで、より高い学習効果が得られます。

もちろん、子どもが飽きないというのもメリットです。

同じ3時間でも、ずっと算数をやるより、科目が分かれていたほうがメリハリがつきますからね。

スケジュールを作るときは、科目だけでなく、具体的なページ数なども書くとよりわかりやすいです。

「国語」だけでなく「国語(新出漢字、テキストP10~15)」というように書かれていたほうが、子どもにとっても終わりが想像できてモチベーションが上がります。

スケジュールどおりに勉強を進めるというのは、子どもにとっては難しいことです。

親も毎週毎週スケジュールを立てるのは大変です。

しかし、続ければ慣れます。

やるべきことがはっきりして終わりが見えることで、親も子どもも、精神的にはずっと楽になることも多いです。

ぜひ、しっかりしたスケジュール作りにチャレンジしてみてください。

4.勉強する環境を作る

家で長く勉強するのは大変なことです。子どもがすんなり勉強モードに入れるよう、環境を見直ししてみてください。

自分の部屋で一人で勉強できる子もいますが、集中力が続かない子は、リビングなど人の目があるところのほうがよいでしょう。

誰かに見ていてもらう安心感、勉強しないと注意される緊張感で、集中しやすくなるはずです。

勉強しているときはテレビや音楽はつけず、まわりも極力話をしないようにします。

子どもはすぐ集中力が切れてしまうので、集中を乱すものは徹底的に遠ざけます。

我が家では、その日の勉強が終わるまではテレビもゲームもスイッチOFF。勉強中は、無音にしています。

子どもが机に向かっている時は、私も仕事をしたり家事をしたりして過ごします。親も作業がはかどるので、一石二鳥ですよ。

集中力を養うにはタイマーを使うのもよいですね。

問題を解く時間にタイマーをかけると適度な緊張感が得られ、スピードへの意識も生まれます。

もし塾に自習スペースがあるならぜひ活用しましょう。

塾の設備やシステムは「使えるものはとことん使う!」という意識が正解です。

できることから進めていこう!

塾の宿題をこなすには「必要量を把握しスケジュールを立てて進める」ことが大事です。

そのためには塾へ相談するのもひとつの手です。

使えるものはどんどん使って、勉強のペースをつかんでください。

学年が上がれば宿題の量は増えるのに、塾の授業時間が増えることで家庭での学習にあてられる時間は減ってしまいます。

宿題が大変だと思ったら早めに手を打ち、調整を繰り返していくことで、子どもも慣れていきます。

ペースに慣れたら、「余裕があれば」という問題を組み込んだり、苦手科目の強化に時間を使ったりすると、無理なくレベルアップできます。

焦らず少しずつ、できることから進めていってくださいね。

この連載では匿名での質問を受け付けています。ぜひ、塾について、中学受験についての質問などを、こちらの質問受付フォームからお寄せください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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天海ハルカ
この記事の著者

大手進学塾で国語講師を務め、主に5,6年生を担当。偏差値20台の勉強しない子供から、御三家に合格するレベルの子供まで幅広いレベルを受け持つ。モットーは「無理なく楽しく効率的に」。著書に『中学受験国語・成績を上げる思考力の磨き方-情報を整理し理解して伝える力』(エール出版社)。

中学受験を応援する個人サイトを運営しながら教育系webライターとして教育、子育てサイトでも活動。プライベートでは、わが子の中学受験をサポート中。

中学受験アシストブック
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