子どもを潰す親と伸ばす親の違い―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる
こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。
先日、伸学会の社内SNSの中で若手スタッフから相談がありました。
「宿題ノートをチェックしていて、明らかに保護者さんが手伝っているのがわかったらどうしたら良いですか?」
とのことでした。
私たち伸学会では、生徒が自分で勉強できるようになることを目標に指導をしています。
そのために、宿題の手順・やり方を指導したり、スケジュールの立て方を指導したりしています。
それらを保護者さんが代わりにやってあげているのは良いことなのかどうなのか、また、保護者さんが手伝っている場合には保護者さんとどのようにお話ししているか、教えてほしいとのことでした。
それに対してのベテラン講師の回答と私の回答はほぼ一致していました。
このやり取りをしているときに、ベテランはだいたい意見が一致しているけれど、経験が浅いスタッフがどうしたら良いかわからないことって、保護者さんたちも迷うポイントなんじゃないかと思いました。
そこで、今回は、子どもの宿題を手伝うことで、子どもを潰してしまう親と子どもを伸ばす親の違いについてお話しようと思います。
良い手伝い方ができているかどうか、チェックしてみてくださいね。
子どもが喜ぶサポートになっているかどうか
まず1つ目は、子どもが喜んでいるかどうかです。
私が生徒の宿題ノートをチェックしていて、親が手伝っている形跡に気付いたら、率直に「お母さんがこういう風にサポートしてくれるのは嬉しい?うっとうしい?」と聞いています。
本人が喜んでいるなら、一番大きな1つ目のチェックポイントはクリアです。
多くの場合、親が「勉強しなさい」と言うだけの家庭よりも、子どもの勉強に関わってあげる家庭の方が、子どもはちゃんと勉強するようになります。
そして、やればできるようになり、できるようになるから勉強が好きになります。
しかし、残念ながら、そうではない家庭もあります。
子どもは勉強が嫌いになり、親子関係も悪化していく家庭もあるのですね。
せっかく子どもの勉強を手伝うという良い行動ができているのに、ただほんの少しやり方を間違ってしまっているせいで、逆効果になってしまっているんです。
とてももったいないですよね。
その違いはどこから生まれているかというと、「子どもがしてほしいサポートをしている」のか、「親が子どもにやらせたいことを押しつけている」のかの違いです。
子ども本位になれているかどうかで大きな差ができるのですね。
確かに、親御さんはみんな子どもにとって必要な、でも本人が自分ではできないことをサポートしているのだと思います。
でも、必要だけれど自分ではできないことを手伝ってあげたら喜ぶかといったら、決してそんなことはありません。
例えばこんなことを想像してみてください。
あなたはフルタイムで働きながら子どもを育てています。
仕事は現在絶賛繫忙期で大忙し、家に帰ってから家事をする時間も体力もなかなかありません。
家の中は少し散らかっています。
そんな時に、実家の母がやってきて「どんなに忙しくたってちゃんと掃除くらいしなきゃダメでしょ」と言って、勝手にグイグイ掃除をしていきました。
あなたはどんな風に感じますか?
多くの人は嫌な気持ちになるのではないでしょうか。
何ならキレる人もいるのではないかと思います。
押しつけって嫌なものですよね。
これがもし、「大変なんだったら手伝うよ」「困ってることがあったら言ってね」と言われて、「じゃあ家事を手伝ってほしい」とあなたからお願いした場合だったらどうでしょう。
手伝ってくれたら、もちろん大感謝ですよね。
相手が小さな子どもであっても同じで、相手の意思を尊重して、求められたサポートをすることが大事です。
新学年になり、塾通いが始まったり、進級して宿題が大変になったりして、少し手伝ってあげなきゃかなという方も多いと思います。
どんなサポートが欲しいか、本人と相談することから始めてみてくださいね。
保護者自身も楽しめるサポートになっているか
2つ目のポイントは、保護者さん自身が楽しめているかどうかです。
「やらなきゃいけないから仕方なく」といった気持ちでやっていると、忙しかったり疲れていたりするときにはイライラしてしまうかもしれません。
そういう気持ちは子どもにも伝わります。
子どもも嫌な気持ちで勉強することになります。
それではやはり表面的にこなすだけの勉強になってしまって、せっかく手伝っているのに子供の成長につながりません。
ともすると、子どももイライラしながらやることになり、態度が悪くなって、親子ゲンカに発展なんてこともあります。
それではもったいないですよね。
自分のできる範囲・楽しめる範囲でやるようにしていきましょう。
楽しむための工夫も積極的にしていきましょう。
適切な出口戦略があるか
3つ目のポイントは、適切な出口戦略があるかということです。
保護者による子供の勉強のサポートは、自転車の補助輪のようなもので、いずれは外さなければいけません。
だから、少しずつ本人が自分でやれるように、やってみせてあげて、やり方を教えて、やらせてみるという風にステップアップしていく必要があります。
ただ甘やかして楽をさせているだけではいけないんですね。
子どもにどうなってもらうのが理想的ですか?
その理想の状態に近づいていますか?
今のサポートを続けていけば理想の状態になりますか?
そのことをよく考えてみてください。
理想の状態に向けてお子さんに良い変化が見られるのであれば、そのサポートは良いサポートです。
これからもぜひ続けていってください。
まとめ
以上、最後にまとめます。
- 子どもが喜ぶサポートになっているか
- 自分自身も楽しめるサポートになっているか
- 適切な出口戦略があるか
これらを意識しながらお子さんの勉強をサポートしてあげてください。
冒頭で紹介した若手スタッフも、この3つのポイントを踏まえつつ、まずは生徒本人に、親御さんのサポートをどう思っているか確認するところから始めることになりました。
もしダメな点があったら、どうすれば喜ばれるか、どうすれば楽しめるか、出口戦略はどうするか、試行錯誤していきましょう。
それでは。
※記事の内容は執筆時点のものです
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