塾と習い事。両立できる? やめるべき?│ 中学受験塾のトリセツ#09
進学塾へ通いはじめると、通塾だけでなく、家での勉強時間も必要です。
子どものころから続けてきた習い事はやめたくない。でも、両立するのは大変そう……。
進学塾と習い事は両立できるのか、やめるべきならいつまで続けてよいのか。悩みますよね。
結論からいえば、工夫次第で両立できる習い事もあります。
習い事は、勉強とは違う刺激を得られるので気分転換になります。
中学受験するなら絶対にやめなければならない、というものでもありません。
5年生頃まで子どもの様子を見て、両立可能かどうか判断しても遅くはないでしょう。
この記事では、進学塾と習い事を両立できるか、両立するにはどうしたらいいかについてお話しします。
Contents
塾と習い事を両立できるケースとは
中学受験は険しい道。
習い事と両立するといっても、進学塾をメインにしたほうが安心でしょう。
まず、十分な家庭学習の時間を確保できるかどうかが両立のポイントです。
課題がない習い事
スイミングのように、家での課題がなく、レッスン当日のみで済ませられる習い事は両立しやすいです。
もし、体づくりのジョギングやストレッチといった基礎トレーニングが必要だったとしても、そこまで長時間ではないでしょうし、なにより気分転換にもなりますね。
逆に、発表会やコンクールを目指すダンスやピアノのように、家での練習が必要なタイプの習い事だと、塾の勉強と時間を食い合うことになってしまいます。
一週間何も練習しないままダンスレッスンに行ったり、充分な練習をしないままピアノのコンクールに臨んだりしてしまうのは子どもにとっても不本意でしょう。
かといって、家での時間を習い事のためにたくさん使うと、今度は塾の勉強がおろそかになってしまう可能性も。
続けたい習い事がある場合は、どれだけ家での時間を必要とするか割り出し、勉強時間を確保できるか考えてみる必要があります。
個人でできる習い事
集団ではなく個人のペースでできる習い事は、時間の調整ができるので両立しやすいです。
発表会やコンクールがなければ、ピアノも個人でできる習い事なので両立に向いていますね。
空手など集団での習い事でも、大会に出ないのであれば個人のペースでできるかもしれません。
反面、サッカーや野球といったチームプレイが必要な習い事は、どうしてもレベルや時間を周囲と合わせる必要が出てしまいます。
「できる範囲で」と思っていても、チームだからこそ足を引っ張りたくなくて無理をしてしまうケースもあるでしょう。
また、習い事や試合の前後に他の友達や親御さんとの付き合いの時間が発生することも。
これらの付き合いや交流は楽しいものですが、塾との両立となると親子ともに悩ましくもあります。
かなり割り切って考えておかないと、精神的にも体力的にも厳しいかもしれませんね。
本人が続けたい習い事
本人に「続けたい」という意思がある習い事は、進学塾と両立しやすいです。
本人に続ける気があるなら多少の大変さは乗り越えられます。
逆に本人に続けたい意思がない、もしくは辞めたがっている場合は、すぱっと辞めさせたほうが心も体もすっきりして勉強に向かえるでしょう。
将来のために習い事をするのはなにも悪いことではありませんが、受験する日は決まっています。
優先順位を考えると、とくに小学6年生になったら、塾を中心にしたいですね。
中学でも続けたい習い事
本人が続けたい習い事の中でも、中学以降も続けたいと考えているものは、子どもの意思を尊重するという意味でもできるかぎり塾と両立させてあげたいですよね。
中学受験だけがゴールではないので、その先を考えると辞めさせてしまうほうがもったいなく感じます。
私が過去に教えていたある生徒は、中学受験のための通塾と習い事の柔道とを両立していました。
その生徒は柔道の強い学校を志望校にし、無事合格して中学でも大好きな柔道を続けたのです。
このように習い事が勉強のモチベーションに通じる例もあるため、本人に「続けたい」という意思がある場合はできるだけそれを尊重してあげられるといいですよね。
塾と習い事を両立するためにできる3つの工夫
習い事を続ける場合も、通塾をメインにしないと志望校合格は難しいと思います。
中学受験に力を傾けられるよう、習い事のほうを調整すると両立しやすくなるでしょう。
習い事を減らす
まずできるのは、習い事にかける時間を減らすことです。
現状、複数の習い事をしているのなら一つに絞ることで時間を捻出できます。
スポーツや音楽の習い事では、試合や発表会には出ないという選択が取れるなら、家で習い事にかける時間を大幅に減らせますね。
習い事は「感覚を忘れないため」と割り切って続けられると、通塾ともうまく両立できるのではないでしょうか。
習い事を一時的に休む
減らすだけでは時間が足りないようなら、一時的に休む(休会する)という方法もあります。
5年生までは今まで通りのペースで習い事を続け、6年生の一定期間だけ休んで、受験後に再開するという流れです。
やめるのではなく休会にすることで、復帰後に同じコースから再開できるというメリットが生まれるだけでなく、受験のために好きなことをあきらめたという気持ちにもならなくて済みます。
もちろん、教室や先生によって休会ができるところとできないところはあるので、確認は必要です。
3ヶ月程度の短い休会しかできないところもありますが、半年~1年の休会システムがある場合は選択肢に入れられますね。
休会中は月謝がゼロになるところもあれば、施設費などはかかってしまうというところもあります。
まずはその習い事で休会システムがあるかどうか、あるなら期間やその間の費用はどうなっているかを確認してみましょう。
受験期について相談する
個人運営や小規模の習い事なら、受験期の配慮をしてもらえる可能性はあるので、一度相談してみるのも良いですね。
たとえば「家で練習する時間が取れないが、週に一回のレッスンは続けたい」「週に一回ではなく、二週に一回へレッスン頻度を減らしたい」など具体的に提案してみると、先方も検討しやすいでしょう。
習い事先としても、やめられるより、回数を減らしてでも続けてもらいたいと思ってくれるかもしれません。
受験期間はほんの一時期のことですから、話し合うことで退会や休会といった道以外の、うまい方法が見つかるかもしれませんね。
子どもが前向きに頑張れる道を探そう
時間やスケジュールを考えると、習い事はやめて中学受験一本にし、進学塾へ全力投球するのが効率的です。
とはいえ、すぐに習い事をやめる必要はありません。
せっかく子どもが楽しめている・頑張れている習い事なら、両立の道を試してみるのも良いと思います。
もちろん、進学塾と習い事、どちらも中途半端になってしまっては本末転倒。
両立するとしても、メインは進学塾で習い事は抑えめに続けるというのが負担の少ない方法だと思います。
習い事のタイプやお子さんの気持ちを考え、入試までお子さんが頑張れる道を選べると良いですね。
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
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