中学受験ノウハウ 連載 我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方

家庭教師が探しづらいのはなぜ? | 我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方 #2

専門家・プロ
2023年10月07日 杉本啓太

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連載「我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方」では、プロ家庭教師として活躍されている杉本啓太先生に、いい家庭教師を見つけるポイントは何かといった基本の考え方から、実際に家庭教師を探すにあたってどんなツールをどう使うのがおすすめかといった具体的な内容まで、くわしく解説いただきます! 水・土の週2公開で、全6回の短期集中連載です。

特定の科目を集中的に補強したい。
子どもの性格的に、塾よりも家庭教師の方が合いそうだ……。

皆さん、さまざまな理由で家庭教師を探されていることと思います。

では、一体どこで家庭教師を探すのがベストな方法といえるでしょう?パッと答えが出てくる保護者さんは少ないのではないでしょうか。

残念ながら、納得のいく家庭教師にめぐり合うのはとても難しいのが現状です。

そこで今回の記事では、家庭教師、それもお子さんに合った「良い家庭教師」を探しづらくさせている原因についてお話ししたいと思います。

家庭教師探しは、なぜ難しいか?

家庭教師探しが難しい大きな理由として、以下の2点が挙げられます。

① 家庭教師といっても年代・スキル・得意分野・性格などはさまざまで、ご家庭ごとの状況や要望を考慮した上で検討する必要がある

② 家庭教師として活動している先生の情報が一元化されている場所がなく、比較をしづらい

まず①については、実際に「評判が良いと聞いた先生だったがうちの子には合わなかった」という苦い経験をお持ちの親御さんもいるかもしれません。

家庭教師を選ぶ上での比較ポイントは複雑です。AさんとBさんの抱える課題が違えば、それぞれのニーズにハマる家庭教師は異なります。わずかな口コミだけでは、一概に良い・悪いと判断するのが難しい、ということです。

②は「どこで探すか」に関わってきます。

個人として活動しておりホームページやSNSから連絡を取れる先生、家庭教師センター経由で出会える先生、掲示板や家庭教師マッチングサイトから出会える先生など、家庭教師の活動・情報発信の場はさまざまです。逆にいえば、「ここさえ探せば大丈夫」と断言できるサイトや会社が無いということですね。

①②の難しさを踏まえた上で、どういった点に注意しながらご家庭に合った家庭教師を探していけば良いか、ポイントを2つ解説します。

家庭教師についての情報(項目分け)が多様である

「家庭教師についてチェックすべき基本的な情報は?」と聞かれて何が思い浮かぶでしょうか。例えば、年令・性別・学歴・これまでに指導した人数・教え子の合格校、などをイメージする人が多いかもしれません。

しかし、家庭教師を評価する(=「うちの子に合うかどうか」を判断する)ポイントはこれだけではありません。

お子様と直接コミュニケーションを取るわけですから、家庭教師の人間性にこだわりを持たれる方は多いでしょう。しかし、その人物の人間性・性格については、そもそも「良し・悪し」の判断も含めてご家庭の主観によるものですので、項目化が非常に困難です。

また、指導のスキルについても、例に挙げた項目からだけでは見えてこない部分が多いですよね。各塾のカリキュラムについての知見や学習計画の策定能力の有無、説明の手順や話し方などを定量化するのは難しいものです。

家庭教師を選ぶ上で、こういった明文化・数値化できない感覚的な、しかし軽視できない要素を、事前に一律に判別することは至難の業といえます。

子育て中の我が家では、自宅のある武蔵野市の補助制度を使いながらベビーシッターさんにお世話になっているのですが、これも家庭教師選びに似ていると思います。妻と相談しながら、資料に書いてある情報や考え方などからある程度は絞っていくものの、結局「会ってみないとわからないよね」となってしまうんですよね。

まずは、「人間そのものが売り物である家庭教師は、選ぶポイントを明確化すること自体、難易度が高い」という点を認識しておきましょう。

家庭教師についての情報が一元化されていない

家庭教師探しが難しい理由のもう一つが、「家庭教師についての情報が一元化された場所がない」ということです。

たとえば、就職活動をする人であれば、マイナビに登録するという方は多いのではないでしょうか。家探しでも、広告でよく名前を聞くあのサービスをまずは使ってみよう、と思い浮かぶかもしれません。

このように、探したいサービスによっては「ある程度ここを見ればよいのではないか」という候補が出てくると思います。

一方、家庭教師については、そのような候補が絞りづらい状況です。

家庭教師センター、掲示板やマッチングサイトが乱立していて、そもそもどれを見れば良いのか分からない方は多いでしょう。また、個人で活躍している先生は自身のホームページやSNSでの発信が中心のため、一つひとつ直接サイトを訪れる必要があります。こうなると、まとめて比較検討するのは難しいですね。

このように、「とりあえずここさえ見れば大部分の情報が得られる」という場所が存在しないことが、家庭教師探しを難しくしているもう一つの要因だと考えています。

まとめ

今回は「家庭教師選びの難しさ」について考えてみました。

次の連載3回目では、少しでもスムーズに納得のいく家庭教師を探すために、家庭教師を依頼する前にご家庭内で考えてほしいこと・整理してほしいことをお伝えしていこうと思います。

それではまた!

※記事の内容は執筆時点のものです

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