中学受験ノウハウ 連載 我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方

家庭教師は本当に必要?依頼前に確認したい2つのポイント | 我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方 #3

専門家・プロ
2023年10月11日 杉本啓太

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連載「我が子にぴったりの家庭教師の見つけ方・使い方」では、プロ家庭教師として活躍されている杉本啓太先生に、いい家庭教師を見つけるポイントは何かといった基本の考え方から、実際に家庭教師を探すにあたってどんなツールをどう使うのがおすすめかといった具体的な内容まで、くわしく解説いただきます! 水・土の週2公開で、全6回の短期集中連載です。

難化傾向にある近年の中学受験。

頑張る我が子のために「良い家庭教師」を探したいという気持ちは、どの家庭にも共通する親ゴコロかと思います。

しかし、お子さんとの相性や各家庭が求めるニーズはさまざま。

どの家庭教師がお子さんにピッタリくるか一律にパターン化するのは難しいため、なかなか良い先生にめぐり合えない……とお悩みのご家庭も多くあることでしょう。

そこで、連載第3回目は「家庭教師を依頼する前に確認したいポイント」と題して、ミスマッチを減らし、納得のいく先生とスムーズに出会うための【下準備】について考えていきたいと思います。

家庭教師を検討する前に、親子で確認してほしいこと

家庭教師を検討するとき、まずしてほしいことがあります。「実際に依頼する」と決めている場合も、そもそも依頼するかどうかを考えている段階でも同様です。

それは、「依頼する理由は何か」「依頼したいことは何か」を考える、ということです。

まずは「なぜ家庭教師を依頼したいのか?」を考える

家庭教師を検討する前に、「なぜ家庭教師を頼みたいのか」をぜひご家庭で話し合ってみてください。

例えば、以下のような理由があると思います。

  • 算数で授業の内容が理解できていないから家で演習ができない
  • 塾の授業内容は理解してきているが、家で何をすればよいかわからない
  • 家での学習の時間が足りない
  • やるべきことはわかっているが、子どもが親のいうことを聞かずケンカになる

「そもそも、なぜ家庭教師が必要なのか」を事前に明確にしておくことは、家庭教師を検討する上で非常に大切です。

なぜなら、この「家庭教師を検討する理由」がそのまま「どのような家庭教師が必要か」に直結するからです。

「依頼したいこと」が分かれば、どんな家庭教師が望ましいかがイメージできる

お子さんが単に授業の内容が理解できていないだけであれば、家庭教師に求める能力の条件として、「学科の内容を、より丁寧にかみ砕いて説明できるスキル」が必須になるでしょう。ニーズがそれだけならば、学科の内容をある程度分かっている学生の家庭教師なども良いかもしれません。

しかし、塾の授業内容は理解できていて、家で何をすればいいかがわからないという場合もありますね。このケースでは、学科だけでなく、学習における優先順位付けやテストに向けての計画作成など、全般的なフォローが必要になってきます。学科だけではなく、マネジメントの能力・経験を持った家庭教師が必要となります。

また、やるべきことはわかっているし理解もできているが「親と子どもでケンカになるので、緩衝材のような役割をお願いしたい」などでしたら、先生の人柄は大きなポイントでしょう。お子さんによっては、性別や年齢なども大きな要素となる場合もありますね。

そもそも「家庭教師ではない」となる可能性も!

私がご家庭から依頼をいただいた場合も、メールや最初の面談時にこの2点は必ず確認します。

  • 私に何を求めて依頼いただいたのか
  • 現時点でのご家庭としての課題認識は何か

もちろん「ご家庭にいわれたことだけ解決すればよい」というわけでは決してありません。しかし、「少なくとも解決しなければいけない、ご家庭が認識されている課題」として、非常に大きなインプットとなるからです。 

また、ご家庭でそのような内容を話し合ううちに、もしかしたら「うちに必要なのは家庭教師ではないかもしれない」という気づきが生まれる可能性もあります。

例えば、「絶対的に学習時間が足りず、学習時間を増やす役割を担ってほしい」といった場合でしたら、どちらかというと寺子屋形式の個別塾や自習室系のサービスの方が良いかもしれません。

このように、ご家庭が求める状態になるために何が必要かを事前に検討することが、課題解決に向けて非常に大切だと考えています。

まとめ

今回の記事では、家庭教師を探す前に、親子で確認してほしいことをお伝えしました。

手当たり次第に家庭教師を頼んでみたが、欲しい結果は手に入らず、時間とお金だけが失われてしまった……。そんな悲劇を起こさないためにも、まずは現状の課題と目標を棚卸しし、クリアにしてみてください。

今、お子さんは何ができていて何ができていないのか。足りない部分が明確になれば、どんな学習サポートのプロが必要かもおのずと見えてくると思います。

とはいえ、課題の整理整頓自体が難しいと悩むケースもあるでしょう。次回は、そんなご家庭に向けたアドバイスをまとめる予定なのでご安心くださいね。

それではまた!

 

※記事の内容は執筆時点のものです

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