雲の種類と名前や特徴まとめ 分類パターンと意味を整理しよう (2ページ目)
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雲の種類と名前や特徴~雲の高さを示す「巻」「高」の意味
対流雲はもともと縦(垂直)方向に成長する雲ですから、かなりの高度まで達します。積乱雲(せきらんうん、にゅうどうぐも)は高さが地上付近~16kmにおよび、縦方向の長さは雲のなかでも最大です。
一方、層状雲の場合は「雲の高さ」と「雲の形」の組み合わせによって、さまざまなパターンが生じます。まずは層状雲における、「雲の高さ」と名前の関係から見てみましょう。
雲の種類と名前や特徴~上層雲には「巻」がつく!
上層雲は高さ6km以上のところに現れ、先頭に「巻」という言葉がつきます。エベレスト山(8,848m)よりも高い位置の場合もあるということになります。
上層雲は3種類で、巻雲(けんうん、すじぐも)、巻層雲(けんそううん、うすぐも)、巻積雲(けんせきうん、うろこぐも)です。
最も高い位置にある巻雲(すじ雲)は、覚えてしまいましょう。
雲の種類と名前や特徴~中層雲には「高」がつく!
中層雲は高さ2~6kmのところに現れ、先頭に「高」という言葉がつきます。富士山(3,776m)よりも高い位置の場合もあるということになります。
中層雲は3種類で、高積雲(こうせきうん、ひつじぐも)、高層雲(こうそううん、おぼろぐも)、乱層雲(らんそううん、あまぐも)です。
乱層雲の底辺は地上付近まで低くなりますが、高さが6kmほどに及ぶこともあるため分類上は中層雲となっています。
雲の種類と名前や特徴~下層雲には何もつかない!
下層雲は地上付近~高さ2kmのところに現れ、高さを表す言葉はつきません。下層とはいえ、東京スカイツリー(634m)よりも高い位置の場合もあるということになります。
下層雲は2種類で、層積雲(そうせきうん、くもりぐも)、層雲(そううん、きりぐも)です。
雲の種類と名前や特徴~雲の形を示す「層」「積」「乱」の意味
「雲の形」の基本形は、「層」と「積」と「乱」です。完全に覚える必要はありませんが、選択肢の問題で得点できる程度まで「雲の種類10パターン」の意味を感じ取ってください。
雲の種類と名前や特徴~雲の形は3パターン!
●「層」がつく雲
なだらかに広がったものが積み重なった状態。
●「積」がつく雲
かたまりになったものが積み重なった状態。
●「乱」がつく雲
もこもこと盛り上がった状態。雨を降らせます。
「乱」がつくのは「対流雲の積乱雲(せきらんうん、にゅうどうぐも)」と「層状雲の乱層雲(らんそううん、あまぐも)」の2つで、ともに雨を降らせる身近な雲ですから、覚えてしまいましょう。
積乱雲は面積規模が小さく狭い範囲で強い雨が降り、乱層雲は面積規模が大きく広い範囲で弱い雨が降るという特徴があります。
雲の種類と名前や特徴~全体の構成を理解する!
図を下から順にたどっていくと、雲の種類に関する基本パターンが見えてきます。対流雲は縦(垂直)方向に成長する雲ですから「積」、層状運は横一面に広がる雲ですから「層」が基本です。積雲が発達して積乱雲になると雨が狭い範囲で降り、層雲が発達して乱層雲になると広い範囲で雨が降ることが分かります。
さらに層状雲は、高さごとに「積」と「層」の組み合わせが生まれてきます。
雲の種類と名前や特徴~天気との関係は?
雲の種類と名前は「高さ」と「形」で決まりますから、基本的に名前と天気は関係ありません。関連しているものと言えば、「乱」が雨を降らせる雲につくことくらいでしょう。
雲の種類ごとに一般的な傾向はありますから、簡単に整理してみます。雲の形を説明した際と同じように、下から順にたどっていきます。試験で問われることは少ないので、参考程度に読み進めてください。
雲の種類と名前や特徴~対流雲と天気
●積雲(せきうん、わたぐも)
通称のとおり、綿のようにもこもこと盛り上がった雲です。発達すると積乱雲(入道雲)になります。
●積乱雲(せきらんうん、にゅうどうぐも)
雲の上部は高度も高く、氷の粒になっています。雨だけでなく「雷」「雪」「ひょう」をともなうこともあり、「かみなり雲」という通称を持つほどです。急に降ってカラっと晴れる「にわか雨」型の雲です。
雲の種類と名前や特徴~下層部の層状雲と天気
●層雲(そううん、きりぐも)
山の中腹など最も低い場所に現れる白または灰色の雲で、濃くなると霧や霧雨をともなうこともあります。
●層積雲(そうせきうん、くもりぐも)
空の低いところに現れる白または灰色の雲で、通称の通り曇りとなりますが、雨を降らせることはあまりありません。
雲の種類と名前や特徴~中層部の層状雲と天気
●乱層雲(らんそううん、あまぐも)
低気圧の中心にできる暗い灰色の雲で、通称の通り弱い雨や雪を一定の強さで長く降らせます。
●高層雲(こうそううん、おぼろぐも)
太陽や月をぼやかす、灰色の一様な雲です。高層雲が発達すると下のほうが乱層雲となって雨につながる場合があります。
●高積雲(こうせきうん、ひつじぐも)
丸みのある白または灰色のかたまりが集まって、ウロコのように見える雲です。高度の高い低温の場所では、氷の粒の集まりとなっています。
雲の種類と名前や特徴~上層部の層状雲と天気
●巻層雲(けんそううん、うすぐも)
うすいベール状の白い雲が、空を広く覆います。低気圧が接近する前に現れることが多いため、天気が悪化する前ぶれといわれます。
●巻積雲(けんせきうん、うろこぐも)
(高積雲よりも)細かな白い小石やウロコを並べたような雲です。台風が近づくと巻雲の次に現れ、天気が悪化する前ぶれといわれます。
●巻雲(けんうん、すじぐも)
すじ状の白い雲で、ほぼすべてが細かな氷の粒からなります。台風が近づくと最初に現れるので、天気が悪化する前ぶれといわれます。
まとめ
◎ 雲は原因となる上昇気流の特徴によって、対流雲と層状雲の2つに大きく分かれます。
◎ 雲の種類の名前は、「高さ」と「形」の組み合わせで決まります。最も高い位置にある「巻雲(すじ雲)」は覚えてしまいましょう。
◎ 狭い範囲で強い雨が降る「積乱雲(入道雲)」と、広い範囲で弱い雨が降る「乱層雲(雨雲)」も覚えてしまいましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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