酸性とアルカリ性を中和させるとどうなる? 水溶液の計算問題をわかりやすく解説
中学受験理科の計算問題としてよく出るのが中和です。塾に通う受験生は5年後半で教わりますが、比例計算や現象の理解でつまずくことが少なくありません。今回は、中和の基本を確認した上で、計算問題の解き方をわかりやすく解説します。
中和の基本を理解する
中学受験理科で中和の問題が出る場合、計算だけでなく基本的な知識も問われます。これらの知識を整理して覚えましょう。
中和とはどのような反応か?
中和とは、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると、水と塩(水以外の物質。「しお」ではなく「えん」といいます)ができる反応です。たとえば、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を中和させると、水と塩化ナトリウム(食塩)ができます。
酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液が過不足なく中和すれば、混合液は中性になります。ただし、それぞれの水溶液の体積や重さを同じにして混ぜ合わせたからといって、過不足なく中和するわけではありません。
中和実験でよく問われる知識
中和の実験(中和滴定)の問題では、混合液の液性がよく問われます。たとえば、塩酸に少しずつ水酸化ナトリウム水溶液を加えていくと、次のように液性が変化します。
- 塩酸が水酸化ナトリウム水溶液より多い → 酸性
- 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が過不足なく中和した → 中性
- 水酸化ナトリウム水溶液が塩酸より多い → アルカリ性
それぞれの液性に関連して、リトマス紙やBTB溶液などの色も覚えておく必要があります。酸性の場合、青色リトマス紙が赤色になり、BTB溶液は黄色になります。アルカリ性の場合、赤色リトマス紙が青色になり、BTB溶液は青色になり、フェノールフタレイン溶液は赤色になります。中性の場合、リトマス紙やフェノールフタレイン溶液に色の変化はありませんが、BTB溶液は緑色になります。
水を蒸発させた後に何が残るかも問われやすいので要注意です。過不足なく中和している場合は塩化ナトリウムだけが残ります。塩酸が水酸化ナトリウム水溶液より多い場合も塩化ナトリウムだけです。塩酸に溶けているのは塩化水素という気体で、水を蒸発させると塩化水素も空気中に出ていってしまうからです。一方、水酸化ナトリウム水溶液が塩酸より多い場合、塩化ナトリウムに加えて固体の水酸化ナトリウムも残ります。
中和の計算問題を解く
以下の問題を通して中和の計算問題の解き方を理解しましょう。
とじる
お気に入り機能は
会員の方のみご利用できます
会員登録のうえログインすると
お気に入り保存できるようになります。
お気に入りのコンテンツは、
マイページから確認できます