中学受験ノウハウ 連載 桜井信一の中学受験相談室

地方在住、国立の教育大附属中学という進路をどう考えるか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2023年11月10日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5のお子さまをもつ親御さんから地方在住者の志望校についての相談です。

今回の相談

地方在住、国立の教育大附属中学を志望すべきでしょうか?

自分が静大教育学部附属中学を卒業したこともあり、娘も家から通える愛教大附属中学の入学説明会へ行ってきました。学校側の説明は、あくまでも研究重視で勉強は自分で頑張って下さい。と言う様な内容でした。授業は楽しいものでしたが、やはり地元の小学中学とは内容が全然違い、進学高校を望んでいる者にとって進むべき道なのか迷っています。

生徒はレベルの高い子が多く進学高校へ進んでいるので、メンバーは申し分ないようです。

よかったらご意見をお聞かせください。

相談者:ナユサホイク
お子さまの学年:小5


桜井さんの回答

 

 

ナユサホイクさま、こんにちは。

説明会で十分お聞きになられたでしょうけれど、教育大付属というのは、研究と教育実習などの役割を担っています。また、私の知る範囲でいうと、先生が出張などの理由により自習になることが多いと聞いています。ただデメリットばかりではなく、大きなメリットがあります。受検があるため、問題児が少ないことですね。これをどう考えるか。ここでこんな意見をする人がいます。社会にでたら色んな人がいるのだから避けてばかりではダメ。

は?は?は? 普通は社会に出て問題児とお近づきになることなんてないですよ。一生関わることがないまま終わる可能性の方が高い。慣れておく必要なんてまったくありません。ただ、公立中学校にはスーパーマンがいます。生徒会をやり、部活を頑張り、オール5で内申点をゲットしながら、それを問題児に目障りだと思われない電磁波を出す子がいます。この子たちは、付属に行く意味がないですよね。さらに、この子たちの存在を知っておくのはいいことかもしれません。

さて、首都圏の一部の地域では私立の中学受験熱がかなり高いのは事実。愛知県はどうでしょうか。仮に名古屋だとしましょう。大手塾以外に名古屋では有名な塾があり、中学受験熱がありそう。そういえば、あの東海中学は名古屋ではありませんか。南山女子部も名古屋ではありませんか。

ところがっ! 同じ地域に泣く子も黙る旭丘高校があるではありませんか。そして、旧帝大がある。つまり、難関中学があるのに公立王国という地域。中学受験をする場合、塾通いをすることになるわけですが、公立王国では堂々と通いにくいという声もあります。

付属中学の受検は少し違うのよと言いたいこところですが、中学受験みたいなものですよね。学力だけとは限らないので逆に掴みどころがないかもしれません。

高校進学が主な目的の場合、付属と公立とどちらの方が内申点がとれるでしょうか。このあたりを総合的に考えて判断されてはどうでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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