学習 連載 中学受験算数の基礎力を伸ばす

食塩水の基礎力|中学受験算数の基礎力を伸ばす#12

専門家・プロ
2023年12月21日 さち

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中学受験は算数で決まる、とよく言われます。もっとも得意不得意が分かれやすく、点差がつきやすいとされるからです。この連載では、中学受験算数の基礎力を測る & 伸ばすアプリ「ドリる算数」を開発されているドリさんの監修の元、ドリるゼミ・計算くらぶの計算アドバイザーのさち先生に、算数の基礎力とは何か、どう伸ばすべきなのかをうかがいます。

こんにちは。さちです。

お子さまは「食塩水」の単元は得意ですか?

2種類の食塩水を混ぜたり、塩を加えたり、水を加えたり… 色々な問題のパターンがあるのでややこしいと感じている子も多いですが、コツをつかめば得点源にできます。

この記事では、「食塩水の問題」が苦手だと感じているお子さんの保護者の方に向けて、この単元の基礎力を3つのポイントに分けてお伝えします。

  1. 整数と小数のかけ算・わり算、商が小数になるわり算
  2. 食塩水の典型問題
  3. 手が止まりやすい問題

1.整数と小数のかけ算・わり算、商が小数になるわり算

食塩水の問題に取り組む上で欠かせないのが、整数と小数のかけ算・わり算商が小数になるわり算を素早く処理する力です。

計算に時間がかかると思考が中断され、「あれ?次は何をするんだっけ?」となることも。 もう一度問題文を確認するとなると二度手間ですよね。 そうならないためにも、食塩水に頻出の計算をマスターしておきましょう!

まずは、現在の計算スピードチェックです!

以下の5問を時間を測って解いてみてください。

(1)300×0.06

(2)150×0.04

(3)30÷250

(4)14÷0.07

いかがでしたか?

理想は20秒ですが、30秒以内に解ければOKです。

筆算をすると時間がかかるので、工夫して計算できるといいですね。

(1)300×0.06=3×6=18

(2)150×0.04=15×4×0.1=6

(3)30÷250=3/25=0.12

(4)14÷0.07=1400÷7=200

計算の工夫に伸びしろがありそうでしたら、ぜひドリる算数で練習してみてください!

「アプリ学習」の整数 ×÷ 小数小数から分数小数点の移動を鍛えると、食塩水の計算が素早く&楽にできるようになりますよ。

会員登録をされた方はプリントを無料で何パターンもダウンロードすることもできます。(2023/12月現在)

ぜひご利用ください!

2.食塩水の典型的な問題

続いて、食塩水の典型的な問題を確認していきます。

お子さまに次の問題を解いてもらってください。

(1)5%の食塩水400gには何gの食塩がとけていますか。

(2)180gの水に20gの食塩をとかした食塩水の濃さは何%ですか。

(3)食塩36gを水にとかして9%の食塩水を作りました。何gの食塩水ができましたか。

(4)12%の食塩水100gと4%の食塩水300gをまぜると何%の食塩水ができますか

いかがでしたか?

大切なのは「食塩水の濃度」とは「食塩水全体の重さ」に対する「食塩の重さ」の割合だということです。

食塩水の問題というと、いくつも公式を覚えなくてはいけないイメージがあるかもしれませんが、これだけ覚えておけばOK!

あとは割合の考え方で問題を解くことができますよ。

それでは、解説です。

(1)
食塩の量は400gの5%=0.05なので
400×0.05=20

答え 20g

(2)
食塩水は180+20=200gできる。
食塩水の量に対する食塩の割合を求めればよいので
20÷200=0.1

答え 10%

(3)
(食塩水の重さ)×0.09=36なので
(食塩水の重さ)=36÷0.09=400

答え 400g

(4)
12%の食塩水100gにとけている食塩は100×0.12=12g
4%の食塩水300gにとけている食塩は300×0.04=12g

2種類の食塩水をまぜると、
食塩水は100+300=400gでき、その中には12+12=24gの塩がとけている

24÷400=0.06

答え 6%

(4)は以下のように図で表すと視覚的に分かりやすくなります。

これらは食塩水の基本的な問題です。

迷わず式を立て、計算の工夫をしつつ素早く答えを求められるよう練習しておきましょう!

3.手が止まりやすい問題

ここまでで食塩水の問題の基本はOKです。

最後に手が止まりやすい問題にチャレンジしてみましょう!

16%の食塩水が100gあります。
この食塩水に食塩を加えて濃度を20%にするには、何gの食塩を加えればよいですか。

この問題のポイントは食塩を加えても水の量は変わらないという点です。

<16%の食塩水100g>
食塩水の濃度は16%なので、水の割合は84%
この食塩水に含まれる水の量は100×0.84=84g

<食塩を加えた後の食塩水>
食塩水の濃度は20%なので、水の割合は80%
この食塩水に含まれる水の量は(食塩を加えた後の食塩水の重さ)×0.8

食塩を加えた後も水の量は変わらないので
(食塩を加えた後の食塩水の重さ)×0.8=84
が成り立つ。

よって、食塩を加えた後の食塩水は
84÷0.8=105g

加えた食塩の量は105-100=5g

答え 5g

まとめ

食塩水の苦手なお子さまは、次の3つのポイントをチェックしましょう。

1.整数と小数のかけ算・わり算、商が小数になるわり算

まずはここからです!素早く計算できるように練習しましょう。

2.食塩水の典型問題

食塩水の濃度=食塩水全体の重さをもとにしたときの塩の重さの割合であることを利用して、迷わず立式できるようにしておきましょう。

3.食塩の量に注目して解けないときは水の量に注目する

食塩水は水と塩でできています。食塩水の問題ではつい食塩に目が行きがちですが、水に注目すると解ける問題もあります。

以上です。

ドリる算数」に【食塩水の基礎力プリント】をご用意しました。

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このプリントで色々な問題にチャレンジして、食塩水の基礎力を鍛えましょう!

※記事の内容は執筆時点のものです

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