たくさんのコップのイメージ画像
学習

弁償算を交換・面積図・消去算で解く! つるかめ算の応用問題も難しくない

2024年1月07日 みみずく

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「コップを運ぶ仕事があります。1個運ぶごとに50円をもらえます。コップを割ってしまうと、100円を弁償しなければなりません……。」

たとえばこんな風に始まる弁償算(弁償つるかめ算)は、多くの中学受験生が4年で学ぶつるかめ算の応用です。弁償算では、お金や点数をもらえるだけでなく、逆に失うこともあります。そのため、解き方を工夫する必要があり、苦手とする受験生が少なくありません。

そんな弁償算を基本からさらなる応用まで、わかりやすく解説します。

弁償算の基本問題を解く

【問題1】コップを200個運ぶ仕事があります。1個運ぶごとに50円をもらえます。コップを割ってしまうと、50円をもらえないだけでなく、1個につき100円をはらわなければなりません。太郎君はこの仕事で6100円をもらいました。このとき、割らずに運んだコップは何個ですか。

仮定と交換で解く

【問題1】は典型的な弁償算ですが、つるかめ算と同じように仮定と交換の考え方で解けます。具体的には、「コップ200個を割らずに運んだと仮定すると、太郎君がもらえる金額は50×200=10000(円)になる」からスタートです。

太郎君がコップを1個割ってしまうと、100円の弁償だけでなく、もらえるはずだった50円ももらえません。したがって、コップ1個を割ると(割らずに運んだコップ1個を割ったコップ1個に交換すると)150円金額が減ることがわかります。「減る金額=弁償の金額+もらえる金額」に注意しましょう。

コップ200個を割らずに運んだ金額10000円と実際にもらった金額6100円の差は3900円なので、3900÷150=26(個)が割ったコップの個数です。したがって、割らずに運んだコップの個数は200-26=174(個)です。

面積図で解く

弁償算も面積図で解くことができます。下の図のように、弁償ではらった金額をもらった金額より下に描くのがポイントです。

もらった金額の合計6100円は「アの面積-イの面積」で求められます。しかし、アとイの個数(横の数値)が両方ともわからないため、このままの図から差を求めるのは難しいでしょう。そこで、下の図のようにウを付け足します。

アの面積-イの面積=(ア+ウの面積)-(イ+ウの面積)」なので、150×□-100×200=6100の式を作れます。したがって、□=(6100+20000)÷150=174(個)を求められました。

消去算で解く

計算力に自信があるなら、消去算で解くのもよいでしょう。割らずに運んだコップを□個、割ったコップを△個として、次の2つの式を作ります。

  • コップの個数の合計:□+△=200 … ①
  • もらった金額の合計:50×□-100×△=6100 … ②

①の式全体を100倍すると100×□+100×△=20000となり、この式と②の式を足します。

(100×□+100×△)+(50×□-100×△)=20000+6100

100×△-100×△=0より150×□=26100となって、□=26100÷150=174(個)を求められました。

弁償算の応用問題を解く

弁償算で難しいのは、増減のパターンが3つ以上ある場合です。次の【問題2】はどのように解けばよいのでしょうか。

【問題2】太郎君と次郎君がゲームをしています。このゲームでは、じゃんけんをして勝ったら3点もらえ、負けたら1点失い、あいこなら2人とも2点ずつもらえます。太郎君も次郎君も最初は30点でしたが、じゃんけんを30回した後、太郎君は75点、次郎君は55点になりました。太郎君は何回勝ちましたか。

あいこの回数を求める

【問題2】では、じゃんけんの勝ち・負け・あいこの3パターンがあります。このような問題を解く場合、太郎君と次郎君をそれぞれ考えるのではなく、2人の合計点で考えるのがコツです。

1回のじゃんけんで勝敗が決まる場合、一方が3点もらい、他方が1点失います。したがって、2人の合計点は3-1=2(点)増えます。また、あいこの場合、2人とも2点ずつもらいます。したがって、2人の合計点は2+2=4(点)増えます。

ここで「30回のじゃんけんすべてで勝敗が決まったと仮定すると、2人の合計点は2×30=60(点)増える」とします。実際には、2人の合計点は(75-30)+(55-30)=70(点)増えています。したがって、合計点の差70-60=10(点)を、1回のじゃんけんであいこの場合と勝敗が決まる場合の差4-2=2(点)で割り、10÷2=5(回)があいこの回数だとわかります。

太郎君が勝った回数を求める

太郎君はあいこで2×5=10(点)をもらいました。この点数と最初の点数を75点から引くと、75-10-30=35(点)です。

ここで「あいこを除いた25回のじゃんけんすべてで太郎君が勝ったと仮定すると、太郎君の合計点は3×25=75(点)増える」とします。

太郎君が1回負けると、1点失い、もらえるはずだった3点ももらえないので、4点失うことになります。したがって、太郎君は(75-35)÷4=10(回)負けたことになり、勝った回数は25-10=15(回)です。

つるかめ算の応用も難しくない

弁償算には難しいイメージがあります。しかし、解き方はつるかめ算と同じです。「つるかめ算をどう解くか?」を理解できていれば、つるかめ算の応用である弁償算も必ず解くことができますよ。

※記事の内容は執筆時点のものです

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