中学受験ノウハウ 勉強法

中学の勉強についていけない? 進学後に成績を上げるのに役立つ5つの力と伸ばし方

2024年2月01日 みみずく

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「偏差値の高い中学に進学すると、勉強についていけないのではないか?」と不安がる中学受験生や保護者がいます。しかし、中学受験の勉強を通して学力の土台を築ければ、中学の勉強についていけないどころか、中学以降にグングン成績を上げていくことも夢ではありません。今回は、学力の土台となる5つの力と、これらの力の伸ばし方を解説します。

ギリギリで合格すると「深海魚」になるのか?

中高一貫校に入学後、学内成績がずっと低迷してしまう生徒のことを「深海魚」と呼ぶことがあります。

中学受験生とその保護者の間では、「ギリギリで合格すると深海魚になる」という噂がしばしば囁かれます。

いっぽう、学校側からは、入試時とその後の成績にはあまり相関関係がないという話も聞こえてきます。

「ギリギリで合格したから深海魚になる」という因果関係は、実際には成立していないという印象が私にもあります。

安全校に余裕の成績で入学したものの、「自分は本来ちがう学校に行くはずだったのに」という思いが強すぎるのか学校生活に馴染めず、成績が落ちていってしまうケースもあれば、合格最低点近くで合格したものの、厳しいとされていた合格を勝ち取って自信をつけ、中高6年間を通して充実した学校生活を送るケースもあるからです。

学力の土台となる5つの力とその伸ばし方

中学入試の成績と中学入学後の成績にそれほど相関関係がないとすれば、中学受験を経て入学した後「勉強についていけない」と悩むような事態はだれにでも起こり得るわけです。

そんな風に悩まなくてよいように、中学受験生は受験勉強を通して以下の5つの力を伸ばしておきたいところです。

1. 国語力

中学生になると、自力で教科書を読みこなすことが求められます。授業のスピードが速いので、先生の話を理解してメモを取るのも大変になるでしょう。そのため、語彙力・読解力・情報処理能力・文章作成能力など、日本語を使いこなす力、すなわち国語力が弱いと中学の勉強についていけなくなります。

中学受験の勉強で国語力を伸ばすには、国語だけでなく、全ての科目で、音読したり、言葉で説明したりするのが効果的です。また、用語を正しく覚え、それを使った解説を理解できるようにする訓練もしましょう。漠然としたイメージや感覚を言語化するのがおすすめです。

2. 計算力

中学以降の数学・理科では、文字式の計算が増える一方で、複雑な数値計算は多くありません。そのため、中学以降は、2桁×2桁を瞬時に暗算できるような力よりも、ルール通りに整然と式を変形できる力が計算力として求められます。

中学以降で役立つ計算力は、途中式を整然と書く練習をすることで鍛えられます。あちこちに筆算を書き散らしている受験生は、その癖を直しておきましょう。また、計算を工夫することも大切です。割り算をかけ算に直す、約分してからかけ算する、分配法則を使うなど、力技で計算する以外の方法を小学生のうちから習慣化しましょう。

3. 暗記力

中学の勉強では正しく覚えることが求められるので暗記力が大切です。とはいえ、文字の羅列を覚えるような力には限界があるので、自分にとって覚えやすい方法を確立しましょう。

書かずに見て覚える、ストーリーを作って覚える、語呂合わせで覚えるなど、中学受験の勉強でいろいろな暗記法を試してみて、「暗記だけなら簡単」という状態を作っておきましょう。また、科目ごとに覚えやすかったり覚えにくかったりするはずです。こうした自分の傾向を把握して、なかなか覚えられない科目でどう覚えていくのかを模索するとよいでしょう。

4. 思考力

中学の勉強では、それぞれの単元が密接に結びついているため、知識や技術を体系的に積み重ねていく必要があります。特に数学や英語は、以前学んだ単元が定着していないと、次の単元を理解できなくなることも少なくありません。そのため、物事を論理的に考える思考力が求められます。

中学受験の勉強では、学んだ知識を言葉で説明したり、図で表したり、表にまとめたりして、知識同士のつながりを意識することで思考力が鍛えられます。また、算数では日頃から別解も考えていると、視野が広がって、さまざまな可能性にも目を向けられるようになるでしょう。

5. 忍耐力

中学の勉強では、「わからない」と悩むことがあるでしょう。また、部活や人間関係で嫌なことがあって気持ちが落ち込むこともあるでしょう。こういうときでも勉強し続けるのに忍耐力が必要です。忍耐力は、嫌なことや辛いことがあっても我慢して前向きに取り組める力です。

中学受験の勉強で忍耐力を鍛えるには、算数で難問にじっくり取り組むのが有効です。国語の難しい文章を丁寧に読み込んで理解するのもよいでしょう。また、日頃の勉強では、嫌なことがあったり疲れていたりするときでも、その日にやるべきことを確実にやる習慣を身に付けたいところです。

中学受験の勉強を中学の勉強につなげるために

憧れの中学に入学した子どもが進学先での勉強についていけるかどうかは、保護者が中学受験の勉強をどう捉えるかにかかっています。保護者は子どもに、中学受験の勉強が中学の勉強につながることを意識させ、雑な勉強をさせないようにすることが大切です。中学受験が終わっても、中学入学までの期間に中学内容の予習を進めさせるのもよいでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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