中学受験ノウハウ 連載 桜井信一の中学受験相談室

小6息子の学習を塾ナシでサポート。仕事・家事との両立がツラすぎます……|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

専門家・プロ
2024年9月11日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回取り上げるのは、小6息子さんの受験勉強を塾ナシでサポートするお母様からのご質問。受験伴走に加えてフルタイム勤務、家事もほぼワンオペでこなしているという相談者さんへ、同じく仕事と両立しながら娘さんを難関中学合格に導いた桜井さんがあたたかいエールを贈ります。

今回の相談

はじめまして。中卒で大人になられてから勉強をし、娘さんをしっかり導かれたとのこと。本当に素晴らしい親力だなと感動しました。

私自身は地方出身ということもあり大学まで国公立にしか行ったことがないですが、ほどほどに受験はこなしてきておりました。不登校気味の長男は、かなりポテンシャルが高く、通信教育だけで四谷大塚模試で偏差値70くらいあったので、塾なし親サポートで自宅から徒歩で通える上位中堅校に入れたのが3年前。

今、小6で地頭は悪くはないけど、勉強が好きとはいいがたい次男のサポートを塾なしでしていまして、自分自身もフルタイムで働き、家事も9割を担当しているので、時間がないのが課題です。

年齢的にも気持ちだけでは睡眠時間を減らして頑張るのが難しくなってきています。

桜井先生が中学受験サポートで時間を毎日どのくらい使われていたのか、参考までに教えていただければ嬉しいです。

ちなみに父親は勉強は教えられないわけではないのですが、受験は自分のことだから親を頼るなんておかしいと言ってきかないし、そもそも根性不足の次男にはすぐにキレてしまうのでサポートを任せることはできず、ワンオペで頑張るしかない状況です。

相談者:二人の息子サポーター
お子さまの学年:小6


桜井さんの回答

二人の息子サポーターさま、こんにちは。

当時の私は意地になっていたのかもしれません。初めて知る世界で始めて知ることばかりだったので、なんだか出遅れた感がありました。そこにすごく責任を感じました。今で言う「親ガチャに外れた子」と思ったのです。

私は家事はあまり協力的ではなかったので、仕事と受験との兼ね合いだけでした。正直なところ、1年半くらいは仕事がどうなってもいいかななんて無謀なことも思っていました。仕事もお金も受験が終わってから考えようと思っていたので、妻はプンプンしていましたね。

勉強時間は平日で7時間のうち、私が一緒にする時間が5時間ほどでした。食事は一緒に食べながら勉強していました。食べるというより飲んでいました。

日祝は13時間は勉強していました。朝早く起きるのが大変だった記憶があります。

一緒に勉強するだけではなく、次の日の予習というか準備もありましたので、4時間寝る時もあれ2時間なんてときもありました。仕事中にうとうとしていた記憶があります。例えばトラックの運転手のような仕事なら両立できなかったと思います。

娘が受験するときの年齢は40代なかばだったので、体力的に今とはずいぶん違い元気でしたが、起きている時間が長いからなのか、ガリガリに痩せてしまいました。受験が終わると、食欲満点・睡眠ばっちりですぐに太りましたが――。

妻は食事のこと以外、ほぼ受験に関わっていません。娘がたまに「こんなのを習ったよ」と自慢げに説明するのを聞いてあげる程度でした。当時は受験にあまり良いイメージを持っていなかったのと、嫉妬もあったと思います。

そんな妻も娘の入学後はすっかり変わり、中学受験賛成派です。また、中高の学校生活の話し相手はほぼ妻でした。

入学して知りましたが、難関中学というのは元から賢い子の方が少ないんだなあということ。親が完全サポートで押し込んだなんて話はいくらでもあります。うちだけではないんだなあと思いました。

でもうちの子は本当にレスポンスが悪いんです。呆れるほど暗記力もない。多分色んなことに興味が湧いて集中できないんだと思います。そのレスポンスの悪さは、予習しているとき、自分自身にも感じました。ですから結構手間取りました。

いま中学受験のオンライン講義をしていて思いますが、全体像から考えると、普通の頭があればそんなに大した話ではないと思います。でもみんな勉強の手順や基礎の段階の習い方が悪いんじゃないかなあなんて思っています。

残り少なくなりましたが、経験上まだまだ挽回できます。私はやってよかったと思っていますし、本当に楽しかった、ワクワクしました。ぜひ、頑張ってください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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