[10月号/低学年保護者向]「全国統一小学生テスト」と「全国テスト」のちがい|おすすめ書籍|にしむら先生の保護者通信
にしむらです。
いつも私のYouTube動画や「3分メソッド」をご視聴いただき、ありがとうございます!
そして、日々のお子さんのサポート、おつかれさまです!
今回は小学校低学年のお子さんをお持ちの方に向けて、10月に実施される日能研「全国テスト」、11月に実施される四谷大塚「全国統一小学生テスト」のちがいを紹介します。
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四谷大塚「全国統一小学生テスト」と日能研「全国テスト」
四谷大塚主催の「全国統一小学生テスト」通称「全統小」は11/3(日・祝)、日能研の「全国テスト」は小2が10/27(日)、小3・4・5が10/20(日)に実施されます。
「全統小」について私は過去に「【危険】「全国統一小学生テスト」を受けてはいけない理由 TOP3」という動画を出しているものの、受けることを否定しているわけではありません。
これらのテストの性質をお子さんに理解させずに受けさせて、テストの結果がどういうものかを親御さんがよく理解しないでネガティブな感情をわが子にぶつけると、お子さんの自己肯定感を下げることになりますよ、という警鐘を鳴らすための動画です。
テストがどういうものかを理解したうえであれば、「全統小」も「全国テスト」も両方受けてもらえたらと思います。
「全統小」と「全国テスト」はどちらも無料で受けられる全国区のテストです。
受験者は「全統小」の方が「全国テスト」の3倍くらい多く、広告も大々的に行っているので「全統小」は受けさせていたけど「全国テスト」は受けさせたことがないという方も多いかと思います。
どこが違うの?全国テスト・全統小
日能研「全国テスト」の「全統小」との違いは
・小2から小5が対象(「全統小」は年長生から小6が対象)
・テスト冊子が横開きでなく縦開き
・算数にヒントコメントがついている
・自由記述問題がある
・答案がテスト後にスキャンされ、その場で返却
・結果が翌日にインターネットにアップロードされる
(「全統小」は10日後くらいしてから四谷大塚校舎に取りに行く必要がある)
・スキャンされた答案に⚪︎×がつけられコメントが挿入される
・偏差値が出ない
という点です。
「算数にヒントコメントがある」というのは、たとえば計算問題だったら
・「くり上がり、くり下がりに注意しよう」
・「問題用紙の空いているところは、自由につかってね」
という女の子と男の子のイラストとセリフが書かれていたり、文章問題だったら、
・「正しい答えが1つにきまる問題ではないよ。自由に考えを広げてね。」
というようなことが書かれているということです。
「自由記述問題がある」というのは、算数だったら、10人が集まって「ドッジボール大会」がいいか「クイズ大会」がいいかをするにあたってみんなに書いてもらったアンケート結果をもとに、「あなただったらどうするか」を字数制限なしの空らんに述べるといった問題です。
国語だったら「物語文の主人公が日記を書いたとしたら、その日記の最後にどんなことを書くと思うか、主人公になったつもりで、あなたの考えを書いてみましょう」というような問題が出されるということです。
このように答えの自由度が高い問題は、四谷大塚の「全統小」では出題されません。
「全統小」は入試問題や小6対象の「合不合判定テスト」を各学年用にアレンジして作成したような問題で、「全国テスト」は入試や模試にはあまり見られないタイプの発想力を試す問題も織り交ぜられていて、「あなたのお子さんはいまこういう問題でこういう発想ができるようになっていますよ」ということを保護者に伝えようとしている姿勢がうかがえます。
中学入試に向けた学力分析に長けた「全統小」と、問題を解くことで考える力や発想力をつけることを狙った「全国テスト」という、それぞれのテストの違いがあるように思えます。
どちらのテストも無料ですし、実施日も被っていないので、両方受けてみてはいかがでしょうか。
低学年に必要なのは基礎の理解、学習習慣、体力づくり
ただし、先ほど紹介した動画でもお伝えしましたが、「全統小」と「全国テスト」を終えた後、できなかったところをできるようにするために、勉強する必要はないですからね。
そんなことよりも、小3の2月、塾で言えば新小4の2月までにやるべきことは、小学校の3年生の学習内容、漢字の読み書きと計算を完璧にできるようにして、できるだけ多くの読書をして、都道府県の名前と場所を覚えて、理科マンガなどを読んで、理科への関心を高めておくことです。
また、運動習慣をつけて体力をつけること、学校や習い事に行く準備を自分でできるようにすること、どんなに少しでもいいから毎日勉強する習慣をつけることです。
これらのことができていれば、大手塾に新小4の2月に入塾して、どこの学校でもめざすことはできます。
表面的な理解で先取り学習をしても、いずれ成績は伸び悩みます。
それよりも、基本的な内容の理解と、学習習慣と体力をつけた子の方が後から伸びていくので、それを忘れないでもらえたらと思います。
中学受験に関するおすすめの新刊
最後に、中学受験保護者に参考になる最近出た本を2冊紹介します。
1冊目は教育ジャーナリストの中曽根陽子さんが執筆した『中学受験 親子で勝ち取る最高の合格』です。
2冊目は以前、私の動画でも紹介したことのある医学博士の成田奈緒子さんが執筆した『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略』です。
前者は「親子の受験軸」を明確にすること、後者は脳の科学的な育て方を紹介して、どちらも塾の価値観に振り回れないで後悔しない受験をするために必要なことを伝えていて、私の考えに近いです。
どちらも1時間もあれば読める本なので、通勤途中などに読んでみてはいかがでしょうか?
ということで、今回はこのへんで。
もうちょっとその話、詳しく聞きたい!
え、それはこういう場合はどうすればいいの?
という要望や質問があれば、私が運営する「保護者のための中学受験3分メソッド」へご入会いただけたらと思います。
会員対象に私との「オンライン個別面談」サービスもおこなっているので、良かったらご利用ください。
では、また来月!
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
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