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おしべとめしべ・がく・花びらはそれぞれ何個ある? 花のつくりと4要素の役割まとめ (2ページ目)

2018年8月03日 東荘一

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間違えやすい合弁花

タンポポ(キク科)は一見すると多くの花びらが集まった花のように見えますが、1枚の花びらに見える各部分は「4要素をすべて備えた花」です。知識がなければわかりにくいですが、円盤状の花に見える部分は、多くの花の集まりということになります。

それぞれの花には「がく」が多数、「花びら」は5枚(合弁花)、「おしべ」は5本、「めしべ」は1本、「完全花」「両性花」「合弁花」です。このような合弁花の特徴は、キク科(キク、タンポポ、ヒマワリ、コスモスなど)に共通のものなので、覚えておきましょう。

被子植物・単子葉類と裸子植物

ここからは、被子植物の単子葉類と裸子植物についてです。私たちが食卓で目にするお米は「イネ科」の植物ですね。「イネ科」は植物としては例外の部類に入ります。身近なものなので、覚えておけば得点につながるため受験においても頼もしい存在です。

また裸子植物だけを覚えてしまっても得点に有利につながることもあります。花の4要素という観点から整理して、暗記の優先順位が最も高い部分となりますので、忘れないでください。

被子植物、単子葉類、ユリ科

チューリップ(ユリ科)は一見すると、花びらが6枚に見えます。しかし、このうち外側の3枚は「がく」で、花びらは内側の3枚となります。厳密に考えると、単子葉類と双子葉類では「花びら」部分の呼び方が異なります。双子葉類で離弁花・合弁花と分類されるのは、花びらを「花弁」と呼ぶためです。

これらを整理すると「がく」は外側の3枚、「花びら」は内側の3枚、「おしべ」は6本、「めしべ」は1本、「完全花」「両性花」です。

被子植物、単子葉類、イネ科

イネ(イネ科)は風媒花(虫などが媒介して花粉を運ぶのではなく、風で運ばれた花粉によって受粉する種類)ですから、花びらは必要ありません。夏に白い花が咲きますが、白いのは花びらではなく「おしべ」です。「がく」も「花びら」もないので、「えい」と呼ばれる部分が中を守る役割をしています。

整理すると「がく」なし、「花びら」なし、「おしべ」は6本、「めしべ」は1本、「不完全花」「両性花」です。

裸子植物の構成は?

図のマツのような裸子植物もイネ科と同様に風媒花ですから、花びらは必要ありません。風媒花として裸子植物(マツ・スギ・ヒノキ・イチョウ)とイネ科、単性花として裸子植物とウリ科を覚えると、選択問題ではかなり有利になりますので覚えておいてください。

マツ(マツ科)を整理すると「がく」なし、「花びら」なし、「おしべ」は「おばな」に多数、「めしべ」は「めばな」に多数、「不完全花」「単性花」です。

まとめ

花の構成要素のポイントをまとめると次のようになります。

◎ 双子葉類は花びらのようすから、「離弁花」と「合弁花」に分類されます。
◎ 1つの花に4要素すべてがそろう「完全化」と、そろわない「不完全化」に分類されます。
◎ 1つの花に「おしべとめしべ」がそろう「両性花」と、そろわない「単性花」に分類されます。

おしべとめしべ・がく・花びらは、それぞれ基本形の枚数と例外があります。これらは混乱しやすいですが、花の構成要素として常識となりますので、必ず整理して覚えておくようにしましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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