学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(8)|これだけは絶対に覚えておきなさい

専門家・プロ
2016年1月25日 馬屋原吉博

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こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

今回は、前回に引き続き、直前期バージョンでお届けします。

帰国生入試や東京・神奈川を除く1月入試がほぼ一段落し、すでに一足早く春を迎えられたご家庭もあるかもしれませんが、2月1日から本格的に入試が始まる方には、以下、わずかでも参考にしていただければ幸いです。

これだけは覚えておきなさい!!

今年の受験生に「絶対に覚えておけ」と言っているポイントをひとつだけお話しします。

日本国憲法96条「改正」です。

96条を丸暗記する必要はありませんが、

(1)国会が各議院の総議員の3分の2以上の賛成で発議し、
(2)国民投票で有効投票の過半数の賛成を得て改正。
(3)天皇が国民の名において公布する。

という3ステップは、それぞれの言葉の意味を正確に理解したうえで暗記しておきましょう。

96条が入試頻出問題である理由

96条について入試で頻繁に問われるのは、もちろん政治的に話題になっているからです。

ただ、それ以上に、96条の内容について正確に理解している受験生は、日本の政治システム全体についてかなり深く理解している確率が高い、という理由も少なからずあります。

96条を話題にあげることで、

  • 「各議『院』」と「総議『員』」の「イン」の字の違い
  • 「総議員」と「出席議員」の違い
  • 「3分の2以上」と「過半数」
  • 「発議」とは「提案」に過ぎないこと(誰に提案するのか)
  • 「国民投票」と「国民審査」と「住民投票」(直接民主制)
  • 「有効投票」という言葉の意味(「有権者数」との違い)
  • 「民定憲法」と「欽定憲法」の違い

など、日本の政治に関わるさまざまなポイントを問うことができるのです。

入試を直前に控えたお子さんに、「96条の内容、言える?」と聞いてみて、パッと答えが返ってこない場合は、その場で上記の内容を丁寧に確認してください。

簡単な内容ではありませんが、偏差値に関わらず、入試科目の中に「社会」がある受験生全員に理解と暗記を求めたいレベルの知識です。例外はほぼありません。

今年もすでに、1/10の栄東を筆頭に、多くの学校で出題されています。

入試を直前に控えたお子さんへ

この時に、社会科担当講師として、入試を数日後に控えたお子さんによく申し上げるのは、

「社会は入試当日の朝まで伸ばせる!」

ということです。

自分が忘れやすいところだけをまとめたノートや、今まで散々繰り返してきた問題集は、当日の朝の電車の中でも見返すことができます。

中学入試の準備には、平均して3年近くかけているお子さんが多いですが、それでも当日の朝に確認した知識が出題されたりするものです。

最後の最後まで、できるだけ多くの知識を頭に叩き込んで、本番に臨んでください。

決して簡単なことではありませんが、良い準備ができていれば、あとは問題をよく読んで、問われていることに答えようとし続けるだけです。

それだけで結果はついてきます。

すべての受験生が、ここまでの積み重ねをできるだけ答案に反映させられることを願ってやみません。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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