学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(9)|時代ごとのイメージを持つ

専門家・プロ
2016年2月08日 馬屋原吉博

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こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

第6回で、歴史のテストで点が取れるようになるための第一歩は「時代名」を覚えてしまうことだ、というお話をさせていただきました。

さて、次のステップです。

時代名を覚えたら、次はそれぞれの時代の「イメージ」をつくっていきます。

ひとつの目安として、それぞれの時代名につき、写真を1枚、人物名を1人、結びつけていくのがおススメです。

イメージを持つことが大事。「奈良時代」と言えば!?

「奈良時代」を例にあげて考えてみます。

奈良時代に関連するキーワードはいくらでもあります。

元明天皇、聖武天皇、行基、鑑真、山上憶良、阿倍仲麻呂、平城京、三世一身法、墾田永年私財法、遣唐使、古事記、日本書紀、万葉集、風土記、天平文化、国分寺、国分尼寺、東大寺、正倉院、唐招提寺……

ざっとこんなところでしょうか。

塾に通っていれば、たった一週間で上記の言葉を覚えきることが要求されます。

奈良時代は約84年間の短い時代ですが、それでもなかなか大変ですね……。

すぐに頭が爆発しそうです。

「奈良時代と言えば!?」と聞かれて、頭の中に「東大寺の大仏」の写真が浮かび、すぐに「聖武天皇!」と言える状態をつくることが先です。

最初に時代名を覚えて「引き出し」を作り、そのうえで、たくさんあるキーワードをひとつずつ「引き出し」にしまっていくのが理想的な歴史の学び方です。

最終的には……

最終的に、特に難関校を受験する受験生には、

「奈良時代と言えば?」と聞かれたら、

「遣唐使によって唐の影響を強く受けた時代」
「飛鳥時代の後半に確立した律令体制が早くも崩れ出した時代」

と答えられるレベルを要求します。

「仏教!」「貴族!」

と反応できるだけでも上出来です。

そのための準備として、最初に「大仏」と「聖武天皇」を覚えておくわけです。

最初に覚える時代と写真は、できるだけその時代を象徴するものが良いでしょう。

平安時代は貴族の時代ですから、「十二単」と「藤原道長」、室町時代のテーマのひとつは武家の文化と公家の文化の融合ですから、それらを象徴する「金閣」と「足利義満」などを選びます。

毎週の宿題をやる前に、一瞬「○○時代と言えば!?」という時間をとるだけで、テストの範囲が広くなってきたときの対応力が大きく変わります。

次回は、歴史学習の鬼門(?)、「年号」について考えてみたいと思います。

またお越しいただければ嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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