連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(15)|最悪なノートの書き方とは?

専門家・プロ
2016年5月24日 馬屋原吉博

こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

今回のテーマは「基本的人権」について学ぶ際の注意点です。

表を丸ごと覚えよう!

結論から申し上げますと、上のホワイトボードの表を何も見ないでかけるようになれば、基本的人権について中学入試で求められているレベルをマスターできたと言えます。

と言われると、ほとんどのお子さんは「ええ~」と文句を言うでしょう。文句を言うお子さんの顔が目に浮かぶようです(笑)

ただ、その「ええ~」の質がポイントなのです。

とりあえず「ええ~」と言ってみている受験生はいいのですが、かなり本気で「ええ~」と思っている生徒は、そもそも社会、特に公民の学習において、「丸ごと覚えないといけない表がある」ということをわかっていない可能性があります。

このあと学ぶ「法律のつくり方」や、みんなが苦手な地方自治における「直接請求制度」、入試頻出の「社会保障制度」や「税制度」などは、すべて表を頭に叩き込むことが得点力を上げるための最短ルートです。

したがって「表を覚える」という作業を知らないお子さん、そうする必要があるのだという意識が希薄なお子さんは、この後、公民で苦労します。

「わかった」うえで覚えよう!

「わかった」うえで覚えよう!こういうと、暗記重視の指導のように思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

逆説的な言い方になってしまいますが、「表を覚える」のは大変なので、「言葉の意味」や「理屈(キーワード同士の因果関係)」がわかっていないとなかなか覚えられないはずなのです。

気合いと根性にものを言わせて、本当に「丸暗記」してしまい、テストの場で応用できないお子さんもいないわけではないですが、それは少数派です。

だれかにトコトン「わかるまで」説明してもらったうえで、上のホワイトボードの表を何も見ないでかけるようになること、これが基本的人権を学ぶ際のポイントです。

板書をきちんと写せていますか?

ちなみに、塾の先生が黒板に上のホワイトボードの表を描いたときに、下記のようなノートをとってくるお子さんも多いです。

このノートは、インデント無視のノートです。

こういったお子さんは高確率で色分けも無視しますが、いずれにせよこれはノートとしては「最悪」の部類に入ります。

「自由権」という言葉と「精神の自由」という言葉、「精神の自由」という言葉と「信教の自由」という言葉、「社会権」という言葉と「生存権」という言葉は、それぞれ明確に「抽象度」が異なります。

中学受験生であれば「抽象」「具体」という言葉の意味は理解しておいてほしいところですが、たとえそれが難しくても「『生存権』は『社会権』の一種である」くらいはわかっておく必要があるでしょう。

したがって、上のようなノートをとって返ってきたお子さんは、十中八九、学んでいることの意味が分かっていません。

何らかのフォローが必要です。

前回申し上げた、「基本的人権をなんでも良いからひとつ言ってごらん?」と言われて、真っ先に「生存権」と答える子が、いろいろと「わかっていない」可能性があるのはこのためです。

お子さんのプライドを不必要に傷つけないような言葉で「わかっているのか、いないのか」をさりげなく確認し、適宜、解説してあげると、お子さんが公民の学習に感じる「負担感」は軽減されるかもしれません。

次回は、公民の学習の本丸、国政(三権分立)の学び方に踏み込みます。

またお越しいただけますと嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

馬屋原吉博
この記事の著者
馬屋原吉博 専門家・プロ

中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1副代表・社会科教務主任
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

うまやはら よしひろ大手予備校・進学塾で、大学受験・高校受験・中学受験の指導経験を積み、現在は完全1対1・常時保護者の見学可、という環境で中学受験指導に専念している。必死に覚えた膨大な知識で混乱している生徒の頭の中を整理し、テストで使える状態にする指導が好評。バラバラだった知識同士がつながりを持ち始め、みるみる立体的になっていく授業は、生徒はもちろん、保護者も楽しめると絶大な支持を得ている。著書に『頭がよくなる 謎解き 社会ドリル』(かんき出版)、『CD2枚で古代から現代まで 聞くだけで一気にわかる日本史』(アスコム社)、『中学受験 見るだけでわかる社会のツボ』(青春出版社)などがある。

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