学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(20)|「メモリーチェック」や「四科のまとめ」は解けないのが普通です

専門家・プロ
2016年8月08日 馬屋原吉博

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こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

6年後期の社会の学習

早くも夏期講習も折り返し地点に差し掛かりました。

夏期講習を終えると、6年生の「社会の学び方」はだいたい決まってきます。

(1)「まとめ教材」の徹底反復
(2)問題演習(塾の教材&実際に受験する問題の過去問)

ざっくり申し上げるとこの2つを並行して進めていくことになります。

今日のテーマは、このうちの(1)、「まとめ教材」の効率の良い使い方です。

「まとめ教材」の反復が合格への近道

ここで「まとめ教材」と呼んでいるのは、一問一答スタイルを基本として、中学受験で問われやすいキーワードを大方確認することができる問題集です。

有名なものとしては、四谷大塚の「四科のまとめ」、日能研の「メモリーチェック」、SAPIXの「コアプラス」などが挙げられます。

受験する学校によって社会の問題の出題傾向は大きく異なるので一概には言えませんが、偏差値50※付近までの学校の入試問題で合格点を取るために必要な知識は、このあたりのテキストを「完璧」にしておくことで頭に入ります。

※四谷の80%、日能のR4偏差値です。

この感覚は多くの社会の先生に共感していただける感覚ではないかと思います。

1周目は答えを写そう!

志望校が上記の偏差値帯の学校なのであれば、遅くても9月には「まとめ教材」の1周目に取り掛かり、2か月弱で完了、10月中には2周目に入り、同時に過去問演習を始めるというのが一般的なタイムスケジュールでしょう。

さて、この「1周目」に注意が必要です。

何回か学んだことの復習ですので、サクサク進めて欲しいものですが、子どもの忘却力をナメてはいけません。興味の無いことは光の速さで頭から抜けていきます。

「まとめ教材」の1周目は「解けない」と思っておいた方が精神衛生上、楽です。

そもそも「まとめ教材」は「テスト」ではありません。

これは覚えるためのツールです。

「○○の考え、休むに似たり」というヒドいことわざがありますが、一問一答形式の問題は、問題を読んで3秒で答えられなければ、1時間考えても答えられません。

したがって、「解けないよう~」と言いながら時間を浪費するくらいなら、1周目は解答をチラ見しながら答えを写していくくらいがちょうど良いのです。

この感覚が、まとめ教材の1周目を効率よく進めるための最大のカギです。

ベストは「一緒に解いてあげること」?

もちろん、上の「答えを写す」という勉強法は必ずしもベストとは言い切れません。周囲の大人が「一緒に解いてあげる」という方が良いケースもあるでしょう。

ただ、それがいろいろな事情で難しい場合や、お子さんが一人で学ぶ力を育てたい場合は、知識問題を相手に「考える」くらいならば、答えを見てでもサッサと前に進み、最終的に周回数を増やした方が良いと言えます。

本日はここまでとさせていただきます。

次回は毎年多くのご相談をいただく「過去問演習」について考えていく予定です。

次回もお越しいただけますと嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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