連載 集中力アップの秘策|ドクター吉田

1日1時間の勉強だけで医学部に合格! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の集中力アップの秘策!(8)


0

合格のためには、勉強時間を増やすより、集中力を高めるほうが大事。そのことを改めて教えてくれた吉報が届きました。

受験生をあつかう私の心療内科クリニックには、2月になると毎日のように、受験の結果について報告が届きます。その中に、あるご病気のため、1日に1時間を超える勉強に対しドクターストップをかけていたにもかかわらず、みごと大学医学部に合格したという吉報があったのです。これには、1年間指導してきた私も、思わずガッツポーズをしてしまいました。

たまたま得意分野が出題されるなどの幸運にも恵まれましたが、とことん集中力にこだわって受験勉強を行ったことは、間違いなく最大の勝因だったと思います。とても参考になると思うので、どのような勉強のやり方だったのか、簡単にご紹介しましょう。

[1]毎朝30分、ランニングをする

病気の治療のために走ってもらっていたのですが、脳が刺激を受けることによって、結果的に勉強の集中力を高める効果も発揮されました。実際、アメリカで行われた研究では、走った後に数学や長文の読解力が高まるというデータが出ています。

[2]右手に力を入れ、「集中!」と叫んでから勉強する

ラグビーの五郎丸選手のように、ルーティンと呼ばれる決まった動作を行うと、勉強の集中力も高まります。勉強の場合は、右手に力を入れること、集中するキッカケとなる言葉を発すると効果が上がりやすいというデータが得られています。

[3]学習効率の悪い分野は、教科書にペケを書き込み、勉強しない

賢く合格を勝ち取るには、時間の割に成績の上がらない分野を捨てる勇気も必要です。教科書に大きくペケを書き込むと、すっきりした気分で捨てられます。脳には効率よく学ぶクセがつき、集中力がより高まります。

[4]15分間のサイクルで、集中力を意識しながら勉強する

1回15分間のサイクルで勉強してもらいました。この受験生の場合は、ご病気のため、サイクル4回までに制限しましたが、健康な受験生は、もちろん、もっと回数を増やして勉強すべきです。詳しくは、前回のコラムをご参照ください。

それぞれ、機会があれば詳しく解説しますが、まずは集中力の重要性をしっかり受け止めていただきたいと思います。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


■バックナンバー

▼脳を育てる勉強法

▼集中力アップの秘策

※記事の内容は執筆時点のものです

0