学習 連載 成績UPは国語力が9割

国語力が学力・コミュニケーション力のコアをつくる|成績UPは国語力が9割(2)

専門家・プロ
2015年6月22日 小川大介

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こんにちは、小川大介です。「成績UPは国語力が9割」と題してスタートした本連載。前回は、「国語力とは何か」についてお話ししました。2回目の今日はさらに一歩踏み込んで、子どもの国語力を伸ばすことの重要性についてお話ししたいと思います。

国語力を伸ばすための4つの要素

前回、国語力は以下の3つの力で構成されていることを確認しました。

・情報を発見する力
・情報を整理する力
・適切に表現する力

これらは国語に限らずあらゆる教科において、「学力のコア(核)」となる重要な力です。では、これらを伸ばすために何が必要とされるのでしょうか?

それには、次の4つの要素を養うことが大切です。

1.人間社会に関する知識

世の中のことを知らないと、どんなに文章を読んでも理解することはできません。世の中にはどんな人がいてどういった構造で成り立っているのかという、人間社会に関する基本的な知識を養っておく必要があります。

2.二元思考

「今日はよく晴れた」という文章には、「昨日までは天候がよくなかった」という裏の意味が隠されています。つまり、「今日」と「昨日まで」という2つのことがらを対比させることによって、文章に書かれていない意味や表現を読み取ることができるのです。文章を理解するには、このような「二元思考」を身につけることも不可欠です。

3.書いてあることを映像化する力

文章を読んで「よくわかる」ということは、文章に書かれている場面を頭の中で思い描けるということ。物語文だけでなく、説明文や算数の文章題を読むときにも必要とされる力で、子どもがものごとを理解するのにとても大きな役割を果たします。

4.ボキャブラリー(語彙・言葉数)

知っている言葉の数が豊富な子は、文章の中に存在するさまざまな引っかかりや微妙な差異に気づきやすいもの。その分、考えるきっかけを多く持つことができます。

コミュニケーションの土台となる国語力

以上4つの要素によって国語力が伸びてくると、さまざまな文章や人の話をよく理解することができるようになります。授業での先生の話も、観察→発見→比較→整理の流れで、きちんと自分のものにすることができるでしょう。

また、国語力のある子は「おしゃべり」も上手です。会話の中から、相手の言いたいことがわかる→相手の主張と自分の思いを対比させて、違いや共通点を見つける→整理した自分の考えを、相手にわかりやすく話して伝える――という力が身についているので、会話のキャッチボールを上手く成立させることができるのです。

会話のキャッチボールはコミュニケーションにとって欠かせない能力。つまり、国語力こそがコミュニケーションの土台となるのです。

近年の大学入試や企業の入社試験では、読解力や論述力を重視した出題が多い傾向にあります。コミュニケーション力を含めた、幅広い意味での国語力が求められていることの表れでしょう。

そこで気になるのが、現代の子どもたちの国語力。

次回、子どもたちの国語力にまつわる現状についてお話しします。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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