学習 連載 成績UPは国語力が9割

低下する現代っ子の国語力|成績UPは国語力が9割(3)

専門家・プロ
2015年8月06日 小川大介

こんにちは、小川大介です。突然ですが、みなさんのお子さんの国語力は、ご自身の子どもの頃と比べてどうでしょうか? 高いですか、それとも低くなっているでしょうか?

連載3回目の今日は、子どもたちの国語力の現状についてお伝えします。

最悪期は脱したが二極化の進む子どもの国語力

OECD(経済協力開発機構)がおこなう国際的な学力調査「PISA」によって、調査が開始された2000年以降、日本の子どもたちの特に「読解力」の項目における学力低下の著しさが判明しました。2000年調査では8位だった順位が、03年には14位、06年には15位と、3回連続で下がり続けたのです。

その後「ゆとり教育」が見直され、学習指導要領が全部改正されたことも功を奏したのか、2009年調査からは読解力の平均点が上昇に転じ、2012年調査では4位まで改善しました。

実際の教育現場でも国語力に対する関心の高まりを感じます。「ゆとり教育」を経て、学校の授業だけでは国語力は養えないという認識が広がっているようです。子どもたちの国語力は最悪期を脱したと言えるでしょう。

ただ、改善したとはいえ、学校の授業だけで養われる国語力には限界があります。また、「家庭内での会話のキャッチボールがある」「読書の習慣がある」など、家庭で国語力を養う環境が整っていればいいのですが、個々の事情から子どもの学習に時間や手間、費用をかけることが難しいご家庭もあります。

この結果、「できる子」と「できない子」の二極化はむしろ進行しているというのが実感です……。

国語力低下の原因は?

現代っ子の「国語力低下」の要因について、私は次のように考えます。

1.子どもが触れる言葉の数が減っている

一説では、小学校から大学の4年間を終えるまでに触れる日本語のボキャブラリーは、40年前のわずか3分の1程度と言われます。これでは、長い文章や難しい文章を読めない子が多くなるはずです。それに合わせて教科書内容のレベルも下げてきた結果、公教育で得られる国語力は昔よりはるかに低い状況にあるのです。

2.携帯電話やインターネットの普及

短い文章での表現で事足りるようになった結果、長い文章が読めなくなったり、主語と述語が整った長い文章を書く力がなくなったりしています。こういう子はすぐに「わかんない」「面倒くさい」という言葉を口にし、国語力も育ちません。また親の世代の国語力も揺らいできています。

3.核家族化や少子化、地域社会とのかかわりの希薄化

子どもを取り巻く社会環境の変化も見逃せません。国語力は、人と話し、触れ合い、交流することによって高められていくものです。親だけでなく、おじいちゃんやおばあちゃん、兄弟姉妹など、多くの人と接触することで表現力が豊かになります。国語力は周囲とのかかわりの豊富さに直結しているのです。

前回お話ししたとおり、国語力は社会で求められる「人間力」につながるもの。学校の授業が力を失っている現代だからこそ、子どもたちの国語力低下を深刻に受け止めるべきではないでしょうか。そこで重要になるのが、お母さんやお父さんの、家庭での子どもへの接し方です。

次回からいよいよ、国語力を伸ばすための具体的な方法についてご紹介していきます!

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

小川大介
この記事の著者
小川大介 専門家・プロ

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

おがわ だいすけ大手進学塾で看板講師として活躍した後、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。その後現職にも就任。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は5000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。著書に『頭のいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)『もう悩まない中学受験』(海拓舎出版)『1日3分!頭がよくなる子どもとの遊びかた』(大和書房)などがある。

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」 https://www.e-juken.jp/