学習 理科

春分 秋分 夏至 冬至~太陽と星の動きをセットにして覚える!

2018年9月11日 東荘一

さまざまな暗記法がある中で、あまり関係がなさそうな複数のものをセットにすることによって、印象を増して記憶に定着させるという方法があります。

中学受験で「太陽」と「星」は同じ「天体」の分野のテーマですが、通常は別々に覚える場合がほとんどだと思います。しかし、何か両者を関連づける糸口が見つかれば、「太陽」と「星」をセットで覚えることが可能になるはずです。

今回は、その「糸口」を説明しながら、1つの覚え方を紹介します。

春分 秋分 夏至 冬至~太陽と同じような道を通る星とは?

「太陽」と「星」はともに、天球を東から西の方向に移動します。その原因は西から東の方向に回転する地球の自転で、地球とともに宇宙空間を動く私たちには、地球の外側のものがすべて自転の逆方向に動いて見えます。

「太陽」と「星」の動くメカニズムが同じということは、両者を関連づける糸口も「動き」にあると考えられます。具体的に見てみましょう。

上の図は太陽の動きを示したもので、実線は昼間、点線は夜間を表します。青が「冬至の日」の通り道、黄色は「春分の日・秋分の日」、赤は「夏至の日」です。同じような通り道の星が、頭に浮かんでくるでしょうか。

春分 秋分 夏至 冬至~さそり座、オリオン座、夏の大三角

冬至の日は日の出(真東から南より)から南中、日の入り(真西から南より)まで、1日じゅう天球の南側を通ります。高度は異なりますが、さそり座のアンタレスは夏の南の低い空を移動します。

春分の日・秋分の日の太陽は、真東から昇り、真西に沈みます。この動きは冬の星座であるオリオン座の三ツ星と、まったく同じです。

夏至の日は日の出(真東から北より)の後すぐと日の入り(真西から北より)のすぐ前は天球の北側、日中は南側と、天球の南北をまたいで動きます。高度は異なりますが、夏の大三角も同じような動きをします。

冬至の日の太陽とさそり座のアンタレス

問題文に「夏」「赤」が登場したらさそり座のアンタレスのことがまっさきに浮かびます。この星の夏の南中高度は地域によって異なりますが、だいたい30度前後です。いっぽう、冬至の日における太陽の南中高度は「90度-緯度-23.4度」で、東京(北緯は約35度)で計算すると約30度です。ほぼ同じような道を通っていることが分かります。

季節はまったく異なりますが、「太陽」と「星」は「通り道」でつながるのです。

春分の日・秋分の日の太陽とオリオン座の三ツ星

中学受験で出題頻度が高い星座といえるオリオン座は、色の異なる一等星が2つ含まれているということもあり、話題満載です。オリオンのベルトにあたる三ツ星は、季節によらず真東から昇って真西に沈むので、春分の日・秋分の日における太陽とまったく同じ動きをします。

動きが同じですから、さらに応用するとオリオン座の三ツ星が地平線上に出ている時間は12時間、南中高度は「90度-緯度」で求められます。

ここでも「太陽」と「星」が、「通り道」でつながりました。

オリオン座の動きが季節によって変わることはありませんが、地平線上にあるのが昼の間であれば、もちろん見ることはできません。オリオン座が夜に地平線上にあるのが冬の間なので、結果的にこの星座は冬の星座ということになるのを頭のかたすみに入れておきましょう。

夏至の日の太陽と夏の大三角

夏至の日における太陽の南中高度は、東京で約80度です。夏の大三角のうち、ベガとデネブは天頂付近を、アルタイルは天頂よりも南側を通ります。ふたたび「太陽」と「星」が、「通り道」でつながりました。しかも、ここでは季節も一致します。

多くの子供は、上空を見上げたときの方角を問われると、さっぱりわからなくなってしまうようです。上の図の観測者が天球をながめるようすが頭に浮かぶようになるまで、しっかりと動きをたどりましょう。

夏の大三角は「夏至の日」の太陽と同じように、「真東から北より」から昇って天頂付近を通り、「真西から北より」に沈みます。ほとんど同じ道を通って、デネブはベガを追いかけます。アルタイルは常にベガ・デネブから南側にあります。

図は、三角形を保ちながら移動していくようすを示しています。ベガを追いかけるデネブから見ればベガは常に西方向、逆にベガから見ればデネブは常に東方向となります。

アルタイルから見て、ベガ・デネブがある方角は北になります。逆に、ベガ・デネブから見てアルタイルがある方角は南となります。天体分野に特有の空間的な習得が必要となりますので、実際の夜空をながめて楽しみながら定着させるようにしてください。

まとめ

春分・秋分・夏至・冬至を題材に、太陽と星の「動き」に注目してみました。ポイントは次のとおりです。

◎ さそり座のアンタレス(夏の赤い星)は、冬至の日の太陽と同じような道を通ります。
◎ 冬の星座であるオリオン座の三ツ星は、春分・秋分の日の太陽とまったく同じ道を通ります。
◎ 夏の大三角は、夏至の日の太陽と同じような道を通ります。

別々に覚えることがすくなくない太陽と星ですが、何かと関連付けて整理することで、記憶に定着しやすくなります。春分・秋分・夏至・冬至の日には、ぜひ親子で夜空を眺めながら観測してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

京都大学工学部、東京大学大学院(工学)、世界最大の外資系コンサルティング会社の共同経営者(パートナー)を経て、教育業務を開始。業界最大手の中学受験塾で、小学3~6年生3000名以上の理科を担当し、習熟度に応じて幅広い学習指導を行いました。学習方法や各テーマの解説をおこなう、小学生向けサイト(偏差値アップの勉強法)を運営しています。以下のリンクからご覧ください。

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