時速や分速の計算でミスをしないために。分数の約分利用の徹底を
中学入試では頻出となる速さの分野。旅人算に流水算に通過算、そして受験生を悩ます強敵「速さと比」の単元が出てきますね。これらの解法を学習して受験に挑んでも計算でミスしてしまうと……本当にもったいない!
私の息子も4年生の後半から5年生にかけて、時速や分速の計算ミスを連発してしまいました。なぜ計算ミスをしてしまうのでしょうか? 息子の行動観察から見えてきた2つの計算ミスの原因とその対策をご紹介します。
Contents
時速の計算ミスの原因1:時間と距離の単位を整えることを忘れてしまう
速さの単元を習いたての4年生後半に息子が陥っていたこと。それは単位を整え忘れるというミスでした。
重さの単位や長さの単位と違い、速さの単位は「単位時間あたりの進む距離」ですので、単位が2つ出てきます。時間の単位と距離の単位ですね。時間と距離の単位を両方とも整えるという訓練をすることが計算ミス撲滅の第一歩です!
「時間と距離の単位を整え忘れる」とは
速さの単位はたくさんありますね。「時速何キロメートル?」「分速何メートル?」「秒速何センチメートル?」速さの単元を習いたての小学4年生は時間の単位と距離の単位を両方とも整えることに慣れていません。
計算をするときは必ず時間と距離の「2つの単位」を意識するよう訓練しましょう。どのように訓練すれば良いでしょうか?
問題文を読むときに意識するクセをつける
基本問題でも応用問題でも、問題文の時間の単位と距離の単位にマーキングするだけで十分な訓練になります。
「 8時20分に家をでて2.8km離れた学校に8時41分に着きました。移動した速さは時速何mでしょう?」
「時速55.2kmで走る車と秒速15mで走る車はどちらが速いでしょうか?」
いずれの問題も時間の単位と距離の単位がバラバラですね。
時間は60進法で距離は10進法。でもすぐには計算しない!
問題文の単位を意識できたらいよいよ単位変換です。時間は60進法ですので時間と分と秒の変換には60を掛けたり割ったりしますね。
距離は10進法ですので、10や100や1000を掛けたり割ったりします。ただし、すぐに計算をしないようにしましょう。
なぜすぐに計算してはいけないのか? それは息子が陥っていた計算ミスをするもうひとつの原因があるからです。
時速の計算ミスの原因2:単位変換で計算量を増やしてミスを誘発してしまう
息子が陥っていた計算ミスを誘発するもうひとつの原因。それは単位変換のたびに計算していたことです。
単位変換のたびに計算をすると計算回数が増え、計算式や筆算も増えて、その結果として計算ミスを連発……もったいないの一言に尽きます。
中学受験の算数では計算回数を減らすために、いきなり計算をせず、分数で式をたてて、その式を整理してから計算した方がよいシーンがしばしばあります。時速や分速の計算もそのひとつです。
単位変換のたびに計算をすると計算量が増える
先ほどの例題を試しに解いてみます。
最初の例は単位変換のたびに計算をする場合です。2番目の例は、最初に分数の式を立ててしまう場合です。
計算式を最初に立ててしまうと長い式となってしまい、一見複雑になったような錯覚を起こしますが、多くの場合は約分によってシンプルな式にすることができます。
実際に計算をしてみましょう。
分数の約分を活用して計算を最小限に
実際に計算をしてみると約分で多くの数字がシンプルになることがわかりますね。
この分数の約分を活用するには、分数を使っているということが条件となります。つまり、小数も全て分数で表現する必要があります。60で割るという計算も、60分の1を掛けるという計算式で表現する必要があります。計算ミスを最小限にするために、式は分数に統一しましょう(ただし、答えを小数で求めるように指示されている場合は、最後に分数から小数への変換を忘れないでください)。
まとめ
小学校4年生の後半から5年生にかけて登場する時速や分速の計算。のちに登場する旅人算や速さの比といった重要単元の得点を勝ち取るための基礎力となりますので、計算ミスを撲滅したいものですね。
息子が陥っていた計算ミスを誘発する行動を改善する対策を2点ご紹介しました。もし時速や分速の計算で計算ミスが多いようであればぜひお試しください!
※記事の内容は執筆時点のものです
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