連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

学校が一枚岩かどうかを確認しましょう|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(13)

専門家・プロ
2016年9月01日 鳥居りんこ

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「学校のどこを見ていけば、その学校がわかるのか?」という話に戻しましょう。

第11回で「まずは校長先生が何を語るのかに注目しましょう」と書きました。

どの世界でも言えることですが、トップは本当に大事だからです。

良い学校は教師陣が「一枚岩」

そして、同時に私たちはその校長の周りにおられる先生方にも目を配らないといけません。良い学校というものは教師陣が「一枚岩」で、さらにとても「風通しが良い」ものなのです。

今夏発売の拙書「中学受験 わが子を合格させる父親道」(ダイヤモンド社)に登場してくださった先生のいる学校(=芝学園)は大変な人気校ですが、実際に行かれた方は存分にその雰囲気をお感じになられると思いますがここも「一枚岩」で「風通しが良い」学校のひとつです。

もちろんプライベートな席ですが、ここの看板教師は校長を「親父!」と呼びます。

「親父」の元で教職員(もちろん保護者、OBを含みます)が一致団結して生徒を「カッコいい男に育てようぜ!」という意識が強い学校なんです。

もっと詳しくお知りになりたい方、拙書「父親道」をご高覧ください。

先生が校長の語った教育方針と同じことを同じ熱量で語れるかどうか

教師陣が「一枚岩」かどうかを知る方法があります。

例えば、学校説明会の席上、道案内に立っておられる先生、いますよね。こういう先生に質問を投げかけることがとても大切です。

その先生にこう聞いてみてください。「先生、お役目、ご苦労様です。大変ですね」と。何とお答えになるかで大体の空気が伝わって来ます。

以前、私はある学校で説明会用の机のセッティングを任されたと思われる先生に話しかけたことがありました。その先生はこうおっしゃいました。

(その先生は私が鳥居りんこということは知りません)

「もう意味がわかりませんよ。今日は休日なんですよ!休日返上ですよ!(怒)」

そこの校長先生は後日、私のインタビューにこうお答えになりました。

「りんこさん、5年待ってくれ! 5年したら問題教師はいなくなるんだ!」

学校も組織のひとつなので、いろんな問題を抱えています。

しかし、問題は問題としても、学校は理念のもと、預かった生徒を責任もって育て上げるという使命感を持たないといけないと思っております。これには、どうしても教師陣が一枚岩でなければ出来ないことなんです。

もし、説明会の席上でただ立っているだけに見えるお役目の先生を見つけたら、それはその学校を知るチャンスになるのです。

その先生が、校長が熱く語ったであろう教育方針と同じことを、同じような熱さで語ってくれたとしたら、その学校は間違いないです。

これをめんどうがらずに、いろいろな年齢層の先生で試してみてください。

そうすると、校門を出る時にはその学校があなたのご家庭の教育方針に合っているのかの判断を下すことができているでしょう。

これは余談ですが、個人的にはアタクシは次のフレーズが好きです。

「我々スタッフ一同、全力でご子息(ご息女)をお預かりします」

このフレーズが学年主任クラスから自然と出てくる学校は「アタリ」です。

学校説明会は「その学校を理解できる」とても大切な機会なのです。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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