連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

文化祭・学園祭に出かける際は「展示物」に注目しましょう|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(20)

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2016年10月20日 鳥居りんこ

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先日、ある人気校の先生と雑談していたら、その先生がこんなことをおっしゃったので笑ってしまいました。

「たまたま○○学園の近くで用事があったので、そこの文化祭に顔を出したんですが、いや~、うちの学校のレベルの高さを痛感することになっちゃって……。もう帰って、生徒たちを褒めまくりましたよ」

どんだけ自分の学校LOVEなんだよ!(笑)って話なんですが、こんな風に他校の偵察に行かれる先生方、多いです。

そして必ず、ご自分の学校と比べて一喜一憂されております。面白いことに、言い方はストレート過ぎますが、良いところをパクる場合もありますね。

伸びている学校は敵情視察にも余念がなく、常に「さらに良くなっていくためには?」という意識で動いているように見えます。

このように教師陣も奮闘する文化祭シーズンを迎えておりますが、私たち親もそのような視点で各校を比べていくことが大切です。

文化祭もそうですし、学校説明会の席上でもそうですが、実際に教室に入れるチャンスがあったら是非、入室してみてください。

展示物でわかる知的レベルの高さを感じましょう

文化祭では、掲示物を見ます。研究発表の作品などが展示されていたら、丁寧に見てください。その学校のレベルが端的にわかるでしょう。

どういう視点でその調べ物学習を行っているのか、その結果、どういうことに着目して、どう結論づけているのか、さらに、そこで何を学んだのかということが見ている人にどれくらい伝わっているかについても注視します。

そして、ここが中高一貫校の醍醐味なのですが、「学年が上がるごとに、どのような変化があるのか」を確認してください。

中1の展示と高3(あるいは高2)での展示は明らかに異なり、そのレベルの高さに舌を巻くことになる場合が多いです。

「この学校の高校生になれば、このレベルに到達し、知的好奇心を満たすのか!」

という感嘆詞を親子で感じることができたなら、志望校へのモチベーションはさらに上がっていくことになるでしょう。

高校生から受ける刺激が子供を成長させる!「普段の学校」の姿にも注目

もうひとつ、見るべきポイントがあります。それは、高校生とのつながりです。

中学生が憧れとも言うべき高校生と一緒に行う部活動や、委員会活動で刺激を受けることは子供の成長過程に素晴らしいメリットとなりますが、こういった高校生とのつながりが日常的にどのように行われているのかをチェックしてみてください。

つながりが強く感じられれば感じられるほど、中高一貫校に行かせる意味がある学校ということになります。学校は横のつながりも大事ですが、縦のつながりが強固にあるということも魅力のひとつだからです。

学園祭はややもすると「お祭り」的なところだけを見て帰ることになりがちですが、「お祭り」はお祭りとして楽しみながら、一方で冷静に「普段の学校」が求めている姿にも着目しながら、好印象の学校を見つけてほしいなぁと思っています。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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