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学校説明会では校内見学ツアーに参加しましょう|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(22)

専門家・プロ
2016年11月04日 鳥居りんこ

学校説明会は、学校長の挨拶、学校生活全般のご説明、進学担当ご説明、入試担当ご説明のような手順を踏んで終了することがほとんどですが、この後、大多数の学校が校内ツアーを実施してくれます。

これに参加しないで帰るのはとてももったいないことです。「去年、見たからいいや」という判断は正しくありません。「校内ツアー」は宝の山なのです。

案内の先生の隣がベストポジション

少人数のグループに分かれて移動することになりますので、まずここでベストポジションをゲットしましょう。ご案内の先生の横を陣取るのです。その方が実りが多いのです。無事、陣取れた場合は、校内を観察しながら、先生の一挙手一投足に関心を向けないといけないため、大忙しになります。

校内の明るさ、すれ違う生徒の様子、教室の匂い、掲示物の貼り方、どのような掲示物かの確認、廊下などの掃除の行き届き方、備品の壊れ方、これらすべてを五感を通して感じなければなりません。

もしかしたら、あなたのお子さんが一度しかない青春をそこで過ごすかもしれないからです。あなたはせっかく先生の横にいるのですから、思いつくままに先生に質問してください。

先生が生徒にどのような声がけをしているかに注目!

そして、その先生がすれ違う生徒にどのような声掛けをしているかに注目してみてください。

注目ポイントは、「先生は子供たちが好きか?」これだけです。

大昔、私はある学校で校内ツアーに参加しました。とても若い、男性の先生の引率でした。先生はツアーの途中、すれ違った男子生徒の腕をつかみ、こう言ったのです。

「おまえ、昨日はどうした?」

明らかに学校方針からは外れているなぁと思える風貌の中3生でした。その子が「いや、ちょっと……」と返事にならない返事をしていたら、その先生は「俺、ずっと待ってたんだぞ!」言いました。生徒はますますゴニョゴニョ言っています。すると先生はその子にこう言ったのです。

「わかった。でも、今日は絶対だぞ! 俺、おまえのことを信じてるから」

その子の顔が一瞬、明るくなったことを私は見逃しませんでした。その子が「うぃっす」と後ろ手に腕を上げて去った後、私は先生に聞いたのです。

「あの、今、テレビの青春ドラマのワンシーンを見た気がするんですが?」

先生は恥ずかしそうにしながらも、こう教えてくれました。

「アイツ、(成績不振で進級が)崖っぷちなんですよ。でも、私はアイツを高等部に連れて行って、この学校を卒業させてやりたいんです。ナリはあんなんですが、でもアイツは滅茶苦茶いいヤツなんで……」

私はそこで親以外に子供を信じてくれる人がいるという「心強さ」と「幸せ」の意味を学んだ気がします。

この学校は今現在でも私が思う「あったかい学校」リストに入っておりますが、その先生は今では中堅どころとなって学校を引っ張っており、今でも変わらず熱い(暑苦しい?)です(笑)。

校内ツアーではこういうことに頻繁に遭遇します。

是非、どういう青春ドラマが内部で繰り広げられているのかを実際に体感してみてください。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

鳥居りんこ
この記事の著者
鳥居りんこ 専門家・プロ

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー&介護アドバイザー。「偏差値30からの中学受験」シリーズ(学研)などの著者。受験から子育てまでの講演・執筆活動多数。ブログでは、中学受験、大学受験、子どもと自分の就職、子育て、夫婦問題、老人介護問題、その他あらゆる女性が抱える難しくも、素敵な日々を綴っています。

ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
http://to-rinko-houmonki.blogspot.jp/

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