連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

時代の流れに合わせた教育を行っているかを見てみましょう|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(24)

専門家・プロ
2016年11月18日 鳥居りんこ

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第23回で「学校の理念は私学の幹です。理念なしには立っておりません。理念にプラスして、教育方針という時代のスピードに合わせた羅針盤がないと、大海原を迷走することになります」と書きました。

この、時代のスピードに乗れているかということもかなり重要なことです。今の時代だからこそ、やらなければならない教育があるので、不変な部分と、さらに子供たちを伸ばしていくためにはどうすればよいのか、ということの両輪を学校があわせ持っているのかを吟味しなければなりません。

時代に即していない「教育方針」の学校はままある

最近、ある学校の校長先生にこういうことを言われました。

「りんこさん、これからは英語と情報の時代だ。本校もその取り組みをしているから遊びに来なさい」

英語と情報の時代ということは「これから」ではなく、「ずっと前から」ではないのか?と耳を疑ったのですが、せっかくなのでと伺うと英語は中2・中3時に週2回のネイティブによる講義、海外研修は高1の希望者制で約2週間というものでした。情報系も特別に何かをやっているということもなく、校長先生は私に何を見せたかったんだろうと今もって謎です。

しかし、こういう学校はとても多いです。パンフレットには美辞麗句が並びますが「蓋を開けてみると」ということもあるという一例を挙げました。やはり、学校が掲げてくる「教育方針」にどれだけの本気度が含まれているのかを確認することも大切なことです。

「外せないポイント」を明確にし、「学校の教育方針」と照らし合わせる

教育方針の本気度を確認するのと同時に、「わが家では、わが子にこういう力をつけさせたい」ということを夫婦で話し合っておき、そのうえで学校見学をすることをお勧めします。

闇雲に見て回るよりも「外せないポイント」をしっかり持っておくことでブレを防ぐことができるからです。例えば、英語教育は必須だとお考えであれば、何をどこまで望むのかを考えておいた方が良いです。

海外研修は必須か否か、それが5泊ほどでも良いか、英検、TOEICは必要か、ネイティブはお飾りネイティブになっていないか、留学制度は整っているか、英語では会話力と文法力のどちらに力を入れるべきか、などなど、上を見ればキリがありませんが「わが家の方針(=ただし、このコラムで何度も触れていますが親の欲ではなく、わが子の資質と個性を総合判断しての方針です)」と「学校の教育方針」が多く合致しているところがベターなわけです。

また、これは教育方針と離れますが、ある学校では旧来どおり合格発表日の翌日に支払い手続き締め切り日を設けるということを貫いていたことがありまして、それも災いして、人気低迷の坂を転がり出したことがあるのですが、こういう風に「時代を見る目」を持たずして、伝統にこだわるということもままあります。

時代は猛スピードで動いているので、学校もある程度は柔軟にフットワーク良く動くということが重要になってきています。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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