子どもが間違えるとついイライラして解説してしまう。「こっそり先生」になれたら解決する?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室
今回の相談
先日の記事で、次のようにお答えされていました。
親の予習が必要なのです。テキストを一緒にやっていませんか。それではダメです。数分先を考えながら、ペースはちょっぴり遅れるのがコツ。先生になってはいけません。子どもを勉強の道に進ませたいのであれば、こっそり先生になるのです。
この、「こっそり先生」の部分をもう少し詳しく教えて頂けませんでしょうか?
子供が出来ないと、ついイライラ……先に私から口火を切って解説してしまいます。
それでは子供が理解していない……そう思います。
「理解を定着させるためには、類題30問集めて解いて下さい!」とおっしゃる先生もいました。
確かに、うちの娘には量をこなした方がいいのかもしれません。
ただ、それでは思考力が育たないという気もして、疑問に思っていました。
桜井さんの「こっそり先生」にヒントがあるように思いましたので、お願い致します。
相談者:よっぴん
お子さまの学年:小5
桜井さんの回答
よっぴんさま、こんにちは。
「類題を30問したら定着する」のなら、10パターンあれば300問、100パターンあれば3000問解くことになります。それを先生はやれと仰っているのか、先生は子どもの頃そうやって克服したのか、なんだか現実的な話ではないですし、親も精神論は求めていないでしょうし、混乱するだけですよね。
私はオンラインの塾を運営していますが、これは通塾型の塾と大きく違う点があります。それは親が子どもと同じ内容の講義を聞くことができるという点です。実際に、多くの保護者の方が、講義をちょっぴり予習しています。
塾の先生のように、内容を完全に理解しなくてもいいのです。少しさわっておけばいい。それだけで、子どものつまづいているところがわかるようになるはずです。
例えば、テストでおうぎ型が転がる問題があった。間違っていた。30問解いてマルにしてしまうと、間違っていた原因がわからなくなります。おうぎ型の問題は円周率を使いますから計算がややこしい。どんな手順で複数の部分を計算し合算しているのか、親が予習していれば、見比べることができるようになります。その上で、「この手順でやろうよ」といった後に数問解くのなら、それは確かに鉄板になるでしょう。
四角形が転がるとします。えっと、この頂点がここにいって……と追いかけているとします。それは、頂点の追い方を知らないという知識不足。それなら、頂点の追い方を教えないといけないのです。このように、バツになった原因を突き止めるのが親の役目。親が間違いの原因をカバーするアドバイスをし、その実践で子どもができるようになったとき、できるようになった嬉しさから子どもと親のバトルは減っていくはずです。二人は元々同じ方向を向いているわけですから。
教えるだけでは勉強時間は長く感じます。そして、実際に長くなる。だから、親は本人の後ろから遅れ気味に進むのです。
「やっぱり、実際に解くとお母さんより早いね」。
そのひと言が、子どもをノリノリにさせます。小学生ですから、かわいいものです。
※記事の内容は執筆時点のものです
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