シャッターチャンス(感動の1枚を残す)|桜井信一コラム「下剋上受験」
私は、娘の受験生活を活字に残すことが出来ました。手帳に書く日記なら続かなかったけれど、携帯電話から自分宛てのメルアドに送ることなら場所を選ばずにできました。まあトイレも場所のうち。他には……、仕事中の昼飯時は大体メール書いてましたね。
でも、これはなかなか大変。
私の場合は途中までやったので今さら中断するのはもったいないと逆にやめられなかったことと、少し前を振り返り気持ちの変化を知る鏡のようなものが欲しかったから続いたのだと思います。冷静になり続けるのって大変なことですから。
小学生がこんなに頑張る中学受験。
私がこれはやっておけばよかったと残念に思っていることがあります。
それは、写真。
なんと、勉強しているときの写真1枚しかないのです。
皆さんなら今からでも間に合う。
塾に行くときの疲れた顔。
家で問題を解いているときの横顔。
解けたときにみせる嬉しそうな顔。
模試に向かう後ろ姿。
寝顔。
これをこっそり残してやりたいと思いませんか。
私には活字がありますが、写真がないんです。特に勉強部屋は写真を撮っておくべきでした。表紙のイラストを描いてもらった人に当時を思い出してもらって再現イラストをつくってもらったとき、懐かしいような嬉しいような。そんな何かが溢れました。
偏差値表を眺めながら無言で立っている姿。
撮っておいてあげるべきでした。
試験場に向かう背中。
撮っておいてあげるべきでした。
合格発表の日、この日以外は全部撮っておいてあげるべきだった。
当時はそんなこと考える余裕もなかったし、ガラケーだったし。
でも今はスマホの人が多いでしょ?
簡単に写メが撮れる時代です。
シャッターチャンスはたくさんあると思うのです。
活字は大変だけど、写メなら簡単。
おそらく、その写真は活字を必要としない何かをもっているでしょう。
スマホを構えて、はいポーズ!もいいですが、こっそり横顔を撮るのもまた違う宝物になるでしょう。
勉強疲れの寝顔は、違うかわいさだと思うのです。
私のように記憶に頼るしかないようになる前に、ぜひ撮っておきませんか。
シャッターチャンスばかりの毎日を過ごす中学受験生。
最後の1枚が楽しみです。
そして、新しい1枚の背景はどんな校舎でしょうか。
2015.10.31 am 7:00
桜井信一
※記事の内容は執筆時点のものです
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