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【かるた部のある首都圏中学校4校】部活動の特色と進学実績をチェック!

2019年3月27日 伊藤仁人

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小倉百人一首を使って札を抜きとる「競技かるた」は、記憶力や俊敏さがもとめられる熱い競技です。今回はかるた部がある首都圏中学校のなかでも、とくに強豪の4校を紹介します。かるた部の特徴や大学への進学実績のほか、競技かるたに触れるメリットについても触れているので、興味を覚えた方はぜひチェックしてみてくださいね。

競技かるたのメリット

競技かるたの公認大会は段位別に分かれており、同じレベルの人と競い合うので、初心者でも気軽にはじめられるのが特徴です。そんな競技かるたのメリットについてご紹介します。

記憶力や集中力、忍耐力が鍛えられる

競技かるたは、1対1で戦う「スポーツ」。相手よりも早く札をとるためには、札の場所を正確に記憶する必要があります。また、競技時間は1試合で約1時間半。札の位置は絶えず変わるので、常に神経を集中して札の位置を記憶しなければなりません。このため、おのずと記憶力や集中力、忍耐力が鍛えられます。

礼儀作法を身につけ、短歌を身近に感じられる

試合のはじまりと終わりには、相手と札を詠む方に必ず一礼する、畳の上で立てひざをしないなど、競技かるたは礼儀やマナーについて学ぶことができます。また百人一首を覚える必要があるため、自然と短歌に触れることも。そのため、早いうちから古典に親しめるというメリットがあるでしょう。

首都圏で強豪かるた部がある中学校4校

ここでは、全国大会などで名を連ねる強豪かるた部がある中学校をご紹介します。かるた部の特徴や活動日、練習内容などをチェックしていきましょう。

桐光学園中学校[神奈川県・川崎市]

桐光学園のかるた部は部員数40名。中高男女共同でセミナールームに畳を敷いて活動しています。活動日は月・火・水・金の4日間。クラブTシャツを着て、日々トレーニングに励んでいます。上級者から講習を受けるなど、先輩と後輩の垣根を越え、互いの技術を磨いているようです。

平成30年度、神奈川県高等学校総合文化祭の高等学校かるた大会団体戦で準優勝、個人戦では無段者の部で2名が準優勝という好成績をおさめました。また第42回全国高等学校総合文化祭信州大会に部員2名が神奈川県代表チームに参加し、全国ベスト16位に。このほかルーキー大会など、さまざまな大会に出場し好成績をおさめています。

海城中学校[東京都・新宿区]

海城中学校かるた部は高校と合同での活動。全部員数は37名で、うち17名が中学生です。活動時間は火曜日~土曜日。学年の隔たりなく仲よく練習にはげみ、ときにはOBがやってきて指導をしてくれることもあるそう。新入生は所作を学ぶところから入り、互いに切磋琢磨しながら実力を高めていきます。

海城のかるた部は団体戦が強く、2018年度は競技かるたの甲子園と呼ばれる全国高校小倉百人一首かるた選手権大会で、全国大会4位に入賞しました。大会ではお互いに声をかけ合い、個人の実力を底上げ。団体戦ならではの戦い方を実践し、強さを見せつけました。

暁星中学校 [東京都・千代田区]

伝統ある男子校として知られる暁星中学校も、競技かるたの強豪校として知られています。活動日は月、火、木、土の週4日。有段者も多く、全国大会の上位進出を目標に練習にはげんでいます。

2016年度の全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会で、9年連続11回目の優勝という、輝かしい実績を残しています。2018年の第40回大会でも、全国ベスト16入り。また、2016年度の全国高等学校総合文化祭・小倉百人一首部門では、全国大会で7年連続12回目の優勝を果たすなど、さまざまな大会で優秀な成績をおさめています。

東京都立白鴎高等学校附属中学校[東京都・台東区]

都立白鴎中学の百人一首部の部員数は35名ほど。活動日は月・火・水・木・土の5日間で、火曜日以外は附属高校の部員と合同で練習しています。朝練習はなし。「楽しくなければかるたじゃない!」をモットーに、和気あいあいと活動中で、学年間の交流もさかんです。

全国大会の個人戦では優勝、準優勝、入賞。2018年の全国小倉百人一首競技かるた中学生選手権大会の団体戦で、都の代表に部員1名が選出されるなど、その実力は折り紙つきです。高校生の実力も高く、小倉百人一首かるた選手権大会の個人戦・団体戦で上位入賞を果たした経験もあります。

各学校の進学実績

親御さんとしては、部活の内容だけでなく学業の内容も気になるところですよね。今回紹介した4校はすべて中高一貫校です。各中学校の大学進学実績などをご紹介します。

桐光学園中学校

さまざまな講習を用意して生徒それぞれの学習スタイルの確立をうながし、独自の学習プログラムで自発的学習の習慣づけをおこなっています。

2018年度の大学合格実績は、東京大学6名、一橋大学2名、東北大学7名など難関国立大学のほか、国立大学医学部への合格者多数。このほか、早慶上智の合格者175名、MARCH理科大459名など、すぐれた実績を残しています。

海城中学校

海城中学校は、中学から高校までの6年間を3つの期間に区切り、それぞれの時期に応じたカリキュラムを組むのが特徴。「学習習慣」「基礎学力」「受験対応力」を段階的に育成しています。

2018年度の大学合格実績は、東京大学48名、京都大学11名、一橋大学16名など難関国立大学の合格者多数。また、早稲田大学161名、慶應義塾大学129名、東京理科大115名など難関私立大学への合格者も多く輩出しています。

暁星中学校

英語とフランス語の2カ国語教育を実施し、グローバル人材の育成をおこなっている暁星中学校。中学の段階から基礎学力の充実を目標に、教科によっては習熟度別授業や先取り授業を実施しています。

2018年度の大学合格実績は、東京大学9名、東京工業大学3名、千葉大学5名など国公立大学合格者合計41名。難関私立大学のほか、国立医学部10名、私大医学部71名と医学部の合格者も多い傾向にあります。

東京都立白鴎高等学校附属中学校

日本の伝統文化を授業や行事、部活動などに積極的に取り入れ、伝統文化に根ざした国際人育成にも熱心な都立白鴎。内外の模試分析を活かした進路指導や、東大生・大学院生から学習アドバイスを受けられる制度など、サポート体制も充実しています。

2018年度の大学合格実績は、東京大学6名、一橋大学4名、筑波大学7名など、国公立大学合格者は61名。早稲田大学、慶應義塾大学など難関私立大学合格者267名と、しっかりとした実績を残しています。

頭と身体をいっぱい使う競技かるた

短歌に触れ、記憶力や集中力の向上も期待できる競技かるた。誰でもはじめやすく、公認大会に勝つと段位を上げられるなど、目標を持って楽しく取り組める競技です。今回の記事で競技かるたに興味を持たれた方は、ぜひかるた部がある学校をチェックしてみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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