中学受験ノウハウ 塾選び

しあわせな中学受験にするための塾選び 7つのポイント

専門家・プロ
2019年5月16日 中曽根陽子

中学受験をしようと決めたら、まず考えるのが「どこの塾にするか」ということでしょう。中学受験では、学校選びと同様に子どもに合った塾を選ぶのも親の大事な仕事です。では、どのように塾を選べばよいのでしょうか。ここでは、しあわせな中学受験のための塾選びについて考えます。

塾のタイプと特徴

「中学受験は塾選びから始まっている」といっても過言ではありません。塾にはおおきく分けて2つ、進学塾と補習塾があります。最近は、この2つに当てはまらない探究型の塾もでき始めています。

中学受験のための塾となると、進学塾に通うことが多いのが現状でしょう。実際のところ、進学塾といっても、さなざまなタイプがありますが、ここでは塾のイメージを掴むために3つ。大手進学塾、中小進学塾(地域密着型)、個別指導塾(補習塾)に分け、それぞれの塾の特徴を紹介します。

大手進学塾の特徴

  • 中学受験のカリキュラムと教材、ノウハウが確立している
  • 母集団が大きいので、全体のなかでの位置を把握しやすいが、成績が振るわない場合、お客さんになってしまう可能性もある
  • 成績別クラス編成をしているので、そのなかで切磋琢磨できる子には向いている。競争に弱い子や成績下位者は、それがプレッシャーになる場合がある
  • 同じ系列の塾でも、教室によって雰囲気やレベルがまちまちの場合がある
  • 専任講師の割合が低い

中小進学塾(地域密着型)の特徴

  • 専任講師の割合が高く、講師の入れ替わりも比較的少ない
  • 小規模なので、目が届きやすく、融通がききやすい
  • めんどうみが良い反面、講師の個性が反映されるので、相性がある
  • 少人数制の場合が多いので、比較されずにすむ反面、受験生全体の中での位置がわかりにくい
  • 塾が得意とする学校が限定される傾向がある

個別指導塾(補習塾)の特徴

  • 時間を自分で選べるので、お稽古ごとも並行して続けやすいが、割高である
  • 1対1あるいは2対1で指導を受けられるので、基本的にわからないまま先に進むことがない
  • アルバイトの講師が多く、どんな先生に当たるかで運不運がある。
  • 基本的には、補講的な役割で活用するケースが多く、中学受験のノウハウを持たない塾だと、具体的な相談は期待できない

「どのような受験にしたいか?」

実は塾選びの前に「どのような中学受験にしたいのか」のイメージを持っておくことが大切です。そのために家庭の方針・事情を家族でよく話しあう必要があります。

たとえば、次の2つの方針があったとします。

  • ハードでも上位校合格を目指して頑張る
  • 習い事など、ほかにも大事にしたいことと並行しながら頑張る

前者と後者では、取り組み方も塾選びも変わります。また、お弁当を用意する必要のあるなし、家庭学習での親の負担レベルなども、塾選びにあたって確認しておきたいポイントです。

なお、進学塾のなかには、中学受験専門塾と高校受験部をもつ併設塾があります。中学受験専門塾の場合、もし途中で「高校受験に切り替えたい」となると、いったん塾をやめる、あるいは転塾するという判断になります。一方、併設塾ならば、高校受験に向け、コース変更することも可能です。「できれば中学受験させたいけれど、高校受験でもいいかも」という場合は、こういった併設塾を選ぶのも一案です。

子どものタイプで変わる塾の選び方

塾にはさまざまなタイプがありますから、子どものタイプ(性格)によって、合う塾、合わない塾があります。子どものタイプによってどのように塾選びが変わるか、いくつかケースを紹介しましょう。

競争意識/打たれ強さ

成績によってクラス替えや席替えをおこなう塾と、おこなわない塾があります。クラス替えがある塾は大手進学塾が多く、大勢のなかで競わせます。こういった塾は競争が好きで、それをやる気につなげられる子ども向きです。反対に、プレッシャーに弱く、競争が嫌いな子どもなら、頻繁にクラス替えを行なわない小規模な塾で、講師にじっくり見てもらいながら力をつけていく方が、伸びることがあります。

質問ができるタイプかどうか

わからないことがあったときに、「自分からどんどん質問できる子ども」と「声をかけてもらわないと自分の思っていることを伝えられない子ども」がいたとします。

後者の場合、頻繁に講師が変わる塾だと、打ち解けるのに時間がかかります。また、大勢のなかで埋もれてしまうと、わからないところをそのままやり過ごしてしまうことになりかねません。その場合は、専任の割合が高く、講師の目が行き届きやすい小規模の塾を選んだ方がいいといった具合です。

好奇心が強いタイプか、マイペースなタイプか

塾のカリキュラムの進め方には、予習主義と復習主義があります。どちらもメリットはありますが、予習主義の場合、自発的に学ぶ姿勢が必要なため、好奇心が強い子ども向きでしょう。他に優先したいお稽古ごとがあったり、マイペースに学習をしていきたいお子さんは、個別指導塾を利用するケースもあります。

このように、子どものタイプと、家庭の方針・事情を照らし合わせたうえで、候補になる塾を絞っていくことが肝心です。

塾選びのNG

「お友達が行っているから……」とか「とりあえず始めてみよう!」という軽い気持ちで塾を選ぶのはNG。また、塾を選ぶときに、進学実績だけで決めるのもNGです。参考にすべきは有名校にどれだけ合格者を出したかではなく、合格した全部の学校名です。これをチェックしていくと、その塾の強みや傾向が見えてきます。そのなかに、現段階で候補にしている志望校があれば、少なくともその塾には経験値があるということになります。

塾選び 7つのポイント

以上を踏まえた、塾選びのポイントを整理してみます。

1、塾の方針
中学受験に対してどういう考え方をしているか、親の関与度など。

2、カリキュラムと教材
予習主義・復習主義、専任講師の有無など。

3、クラス編成やコース分け
1クラスの人数、クラス分け、志望校向けコースの有無や基準。

4、授業時間と費用
1週間のコマ数。夏期講習や志望校別講習、模擬試験なども含めた最終学年までの総費用。

5、質問への対応
わからないことがあったときに、誰が、いつ、どのように対応してくれるのか。

6、合格実績
どの学校に強いのかを見る。ただし、公開テストや単科だけ受講している受験生の数を含んでいる場合もあるので、深読みが必要。

7、送迎・お弁当の有無など
家庭の事情・考え方と一致するか。

教室には必ず足を運び、体験授業を受けましょう。また、塾長と面談をして方針を確認し、納得したうえで、お子さんにあった塾を選ぶことをおすすめします。最終的には、子どもも親もしあわせな受験になることを目指して塾選びをしてほしいと思います。

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。

1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい

公式サイト:http://www.waiwainet.com/

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