学習 連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

「応用がきく子」の育て方#22 算数の応用力がなければ基礎に時間を割く|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2019年11月27日 松本亘正

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子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

算数の応用力がないときには基礎を徹底して身につける

― Point ―

時間があれば理科や社会の時間にする

「応用問題になると解けない」という相談は、とくに算数に多く寄せられます。

しかし、応用問題になると問題設定が複雑だったり、5行も6行も文章が続いて、そこから必要な情報を抜き取ってこなければならず、いまの読解力では手が出ない……ということもあります。

そんなときには、割り切って基礎の定着に時間を割きましょう。

それでも時間があるときは、理科や社会の予習を進めるのがおすすめです。知識や教養の幅を広げたり、余裕があれば問題集を使って、単語も覚えていきましょう。

自宅学習中心で中学受験をした、ある女の子のエピソードです。

努力はできるものの、算数がいまひとつでした。

話を聴いてみると、算数は5年生の終わりまで基礎だけでいいから、好きな社会をとことん極めようと、『予習シリーズ』(四谷大塚)などを使って、地理や歴史をどんどん先取りさせたというのです。

理科もかなり先取りしていた様子。算数は6年生になって少しは応用問題が解けるようになりましたが、上位にはなれません。社会だけはトップクラスでした。

結果、算数・国語・理科・社会の配点が同じ御三家中を受験して、見事合格。

自宅学習中心で受験を成功させた数少ない例というのも素晴らしいのですが、子どもの適性を見抜き、得意科目を伸ばして、苦手科目はそこそこにと、割り切って受験をさせた親御さんの戦略に、尊敬の気持ちがわいたケースでした。

もし「うちの子は算数の応用力がない……」ということなら、この女の子の方法を実践してみてはいかがでしょうか。

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松本亘正

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まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。