連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

中学受験の取り組み方#1 塾に通いはじめる時期|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2020年5月10日 松本亘正

子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

中学受験の勉強は3年生の後半からはじめる

― Point ―

5年生からでは遅いが、早過ぎてもなかだるみする

「受験勉強は6年生からで十分、塾に通わせるのも5年生から」というのは、私が中学受験をした1990年代の発想です。

いまはカリキュラムも前倒しされ、四谷大塚やサピックス、浜学園や希学園などの有名塾は4年生からのカリキュラムとなっています。

4年生のうちからしっかりしたカリキュラムで勉強している子を追い抜くくらいの抜群の才能があれば別ですが、そうでなければ逆転は難しいといえます。最後の追い込みで何とかなるほど甘くないということですね。

とくに、6年生からはじめて、偏差値60以上の難関校に合格するというのは滅多にありません。かといって、早すぎるとなかだるみしてしまうことも……。途中で飽きてしまったり、勉強嫌いになっては、親は苦労します。

受験塾の勉強に慣れすぎると、勉強を始めた前半(2年生~4年生)のあたりはリードできても、知識と比べて思考力が身につかず、後半(5年生~6年生)になって伸び悩む子になってしまいます。

低学年の受験塾のなかには「先取り」といって、あとで勉強することを事前にたくさん教え込むところがあります。本来は4年生や5年生で習うことを「知っている」状態にするのです。すると、4年生あたりまでは、知っているから早く解くことができて、成績も上位に位置します。

しかし、知っているからこそ深く考えられなかったり、先生のよりよい解き方や考え方を吸収できなかったりするのです。「それ、知っているよ。できるよ」と思うと、しっかり聞いているつもりでも吸収に差が出てきてしまいます。

その結果、5年生になったとき、パターン問題には強いのに、思考力が欠けていて、応用問題になると解けない。そしてあとから受験勉強をはじめた子にだんだん抜かれてしまうということが起こります。

また、長期間受験塾に通うことで、学ぶことで得られる感動が薄れていくと感じることもあります。

「これってこうなんだ!」「こんなにできるようになってうれしい!」といった学びの「感動」は、思っている以上に学力に影響します。

そう考えると、受験塾に通うのは、3年生の後半か終わりのあたりからが一番バランスがとれていていいのではないでしょうか。

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この記事の著者
松本亘正 専門家・プロ

まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。