中学受験の取り組み方#6 小説文対策は読書習慣がカギになる|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」
大学受験と中学受験では出される問題に違いがある
― Point ―
小説文(物語文)への対策は必須と心得ておく
大学受験の国語では、論説文の割合が高いのが特徴です。東京大学の国語入試問題は、論説文・古文・漢文(文系のみ随筆文も)の構成になっています。
ところが、中学受験の場合、ほぼすべての学校で小説文(物語文)が出されます。
麻布中学校、駒場東邦中学校、武蔵中学校は、ほぼ小説文しか出題されませんし、桜蔭中学校、豊島岡女子学園中学校、早稲田実業学校中等部などのように「小説文:説明文(論説文)=1:1」の学校が多いですね。
小説文が出にくい灘中学校のような学校もありますが、それはごくわずかです。全国的に見ても、100%近くの学校で小説文が出題されます。
中学受験をするなら、小説文への対策は必須だととらえたほうがいいでしょう。
小説文の問題は、少なくとも文章のあらすじを押さえたうえで、人物関係やそれぞれの人物間での心情を考えていくことが求められます。また、それぞれの行動や発言の背景にある心情も問われます。
まずは、話のあらすじを押さえること。そして、登場人物たちの人間関係のなかで生まれやすい心情を知ること。どんな行動や発言がどのような心情と結びついているかを知ること。
小説文を読むときには、これらを意識させてみましょう。
日常生活のなかでも、感情を汲み取る習慣はつけることができます。
たとえばドラマを観ているときに、親子で「こんなことを言ったのはこんな気持ちだったからだよ」と話してみたり、映画を観終わったあとにあらすじを確認してみるなど、日常のなかでできることはあります。
小説文の問題を解く際、背景がわからないために物語がわからなくなってしまう子が多くいます。
昭和の家庭の話になるとわからない子もいますし、極端に国語が苦手な子のなかには、サザエさんやドラえもんをテレビでも観たことがないということがよくあります。
最近は自分以外の人物の気持ちに共感できない子も多いため、サザエさんやドラえもんのような、オーソドックスな漫画を観せるのも効果的です。
もちろん理想的なのは、できるだけ早い段階で読書の習慣を身につけさせることです。小さいうちのほうが、情感が豊かで小説に親しみやすいからです。
もしも読書が嫌い、もしくはいままで親しんでこなかった場合には、大きな書店に連れて行って、本人が気に入ったものから読んでみるといったことからはじめるのでもよいでしょう。
そして、読み終えたらどのような内容であったか、子どもに説明をさせてみましょう。
最初は上手に話せないかもしれませんが、大まかな流れをつかめるようになることが、後に入試問題にあたる際に重要になります。
※記事の内容は執筆時点のものです
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