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【小学校高学年向け】中学受験にも役立つ読書感想文の攻略法!本選びから構成まで徹底解説

2019年8月21日 石井知哉

小学生にとって悩みのタネとなる読書感想文。とくに中学受験生にとっては、手間をかけずに早く済ませたいものです。しかし、やり方ひとつで、読書感想文は中学受験にも役立ちます。そこで、小学校高学年向けの読書感想文攻略法を紹介します。

中学受験生こそ、読書感想文を書くべき理由

公立中高一貫校の適性検査をはじめ、入試で作文を課す中学校は増えています。また、文章を読んで自分の意見を書く能力は、大学入試、その先の就職試験でも求められます。

ところが、作文が得意という小学生は多くはありません。作文の指導を行う塾に通う以外、きちんと書き方を教わることもないからです。逆に、作文が好きで苦手意識がない子は、それだけ中学受験でも有利だということです。

「読んだモノを題材に作文を書く」という読書感想文は、表現力を磨く良い機会ですし、読書自体が読解力の向上に大いに役立ちます。そういう意味でも、「読む・書く」という国語力を読書感想文で伸ばせるのです。

読書感想文のための本の選び方

「指定された本を読んで感想を書くこと」にもメリットはありますが、やはり感想を書きやすい本を選ぶのが、読書感想文の第一歩です。子供の興味・関心があるテーマの本なら、感想も書きやすくなりますし、「伝えたい」という意欲も高まり、読書感想文に前向きに取り組めます。

一般的に、本は「説明文」「物語文」の2種類に分けられますが、読書慣れしているなら「説明文」でも問題ありません。しかし、読書に不慣れなら「物語文」のほうが読みやすいと思います。

物語文:架空の人物や舞台を元にした、いわゆるフィクション
説明文:事実を元に、読み手に新たな知見を与えるもの

近年は、本を原作としたコンテンツが多いので、アニメやドラマ、映画など、映像化されている作品の原作小説もとっつきやすいでしょう。

レビューを参考に、通販サイトで本を購入するのも手ですが、書店や図書館に行って、実際に手に取ってみながら子供が気に入る本を選ぶのがおすすめです。

高学年におすすめの読書感想文の構成

読書感想文に最適な構成は、次の流れです。

【1】オープニング
【2】あらすじ
【3】感想
【4】エンディング

各パートの内容と文量の目安、例文は次の通りです。

【1】オープニング(全体の約10%)

本の簡単な紹介や、読もうと思ったきっかけなどを書きます。

《例文》
「私が読んだのは、●●さんの書いた『■■』という本です。」
「この本を選んだのは、▲▲に興味があったからです。」

【2】あらすじ(全体の約10%)

本の内容、ストーリーを大まかにまとめます。

《例文》
「この作品は、●●を舞台した話です。主人公の■■が▲▲して◆◆になる物語です。」

【3】感想(全体の約60%)

読んでいる最中に思ったこと、感じたことを書きます。

《例文》
「私が好きな登場人物は、●●です。」
「心に残った言葉は、■■です。」
「一番印象的だった場面は、▲▲です。」

【4】エンディング(全体の約20%)

まとめ、しめくくりの部分です。

《例文》
「私は、この本を読む前は●●と思っていましたが、読んでからは■■と考えるようになりました。」
「私は、▲▲な人にこの本を読んで欲しいと思います。」

「感想」のパートはどう書けばいいか?

メインとなる感想パートの文量の目安は、全体の約60%(原稿用紙3枚だったら2枚分)に及ぶので、内容ごとに段落を分けて、読みやすい段落構成にしましょう。

「感想は何を書けばいいの?」と困ったら、以下の切り口を参考にしてください。

【物語文の場合】
●登場人物に着目
好きな人物、嫌いな人物、など
●場面に着目
嬉しくなった、ハラハラドキドキした、頭にきた、悲しくなった、など
●言葉に着目
心に残ったセリフ、印象に残った描写表現、など

【説明文の場合】
●学びに着目
新たな発見、面白かったこと、驚いたこと、もっと知りたいと思ったこと、など
●変化に着目
読んだ前後で自分がどう変わったか、これからどうしていきたいか、など

切り口に対して思いついたことについて、「なぜ?」「どんなところが?」と問いかけながら、具体的に掘り下げていきます。親が質問し、子供が答えるというインタビュー形式でメモを書かせ、それを土台にすると文章を書きやすくなります。

これだけでも読書感想文は仕上がりますが、せっかくならワンランク上の感想文を目指したいもの。

そこで意識したいのが、表現の工夫です。「誤字・脱字なし」をめざすのはもちろん、接続語(しかし、だから、なぜなら、たとえば、また、そのうえ、など)を用いて、わかりやすく説得力のある論理展開を目指しましょう。これにより、作文力は大幅アップし、読解力アップにもつながります。

読書感想文は、国語力を伸ばす絶好の題材

客観的な事実(あらすじ)と主観的な意見(感想)からできあがっている読書感想文は、国語力を伸ばし、作文を得意にするための絶好の題材です。大いに楽しみながら、読書感想文を書いてほしいと願っています。

※記事の内容は執筆時点のものです

石井知哉
この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。