連載 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

[模擬試験]国語の取り組み方と復習の方法 ―― 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

専門家・プロ
2019年10月09日 やまかわ

中学受験と聞くと、難関校を目指す受験がどうしてもイメージされます。しかし、そうではない、あるいはそのやり方に疑問をもつご家庭は少なくないでしょう。この連載では、『ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す』の著者である亀山卓郎先生に、親子で疲弊しない中学受験をテーマにさまざまなお話を伺います。

前回は、模試(首都圏模試)の復習について算数を例に解説しました。今回は模試をテーマに、国語の試験の取り組み方と、復習について解説します。

国語の試験は時間との戦い

私の塾(桜学舎)では毎年首都圏模試を受験します。首都圏模試の国語の問題は気を付けないと点数が取り損ねることがあります。たとえば、文法や漢字といった時間をかけずに解ける知識問題が、最後のほうに出題されているのです。そのため、冒頭の読解問題から解いていくと、後半の知識問題が解けずに時間切れになる場合があります。

桜学舎では「時間配分の大切さを実感することも大切だ」という考えから、あらかじめ生徒に模試の問題構成を伝えることをしていません。どんな問題が、どの順番で出題されるかわからないのは、受験本番でも同じことですし、どれだけ過去問の対策をしていても、入試当日にどんな問題が出るかわかりません。

ですから、初めて模試を受けた生徒が「時間があれば最後の問題も正解できたのに!」と悔しそうに報告してくる様子を毎年のように目の当たりにします。そうやって自ら時間配分の大切さに気づくことも模試を受ける意味のひとつだと思っています。

そのうえで国語の試験について、生徒たちには「開始とともに全体を見渡してみて、解ける問題から解くことが大切」と伝えています。

1. 試験が始まったら、まず解答用紙全体を見る
2. 問題冊子を最初から最後までパラパラとめくり、全体の内容をおおまかに把握する
3. 知識問題など、解けそうな問題から解く

これらを意識して模試に臨み、復習を重ねれば本番試験でも役に立ちます。とはいえ、模試を受けたあとの復習――特に国語となるとそのやり方に悩まれるご家庭が多いのも事実です。ここでは、国語の知識問題と読解問題の復習方法について解説します。

知識問題の復習方法

模試でも入試でも国語の問題には、時間をかけずに解ける知識問題があります。漢字や慣用句、文法などです。これらの知識はきちんと復習をする必要があります。復習するときは、やみくもに暗記するのではなく、例文と言葉の意味をセットで覚えることです。

国語の知識問題が苦手な子は、字面だけで覚えようとする傾向があります。たとえば「ショウタイ」という言葉を、「招待」「正体」とだけ覚えてしまいます。そのため、「A君をパーティーにショウタイした」「あの人のショウタイが明らかになった」という2つの文を目にしたとき、「招待」と「正体」のどちらを使うのかわからず、間違えてしまうのです。知識問題は成句の意味と、文中での使われ方を確認しながら、一つひとつ丁寧に覚えていきましょう。

読解問題の復習方法

「国語が苦手、きらい」という子は、集中力が続かなかったり、読むスピードが遅かったりして、最後まで文章を読むことができないことが多いです。

「最後まで文章が読めないこと」を克服するために効果的なのが、読んだことがある文章を繰り返し読むことです。模試の復習であれば、出題された文章を最初から最後まで5回読み直すだけで随分変わってきます。

このときに心がけてほしいのは、眼の動きだけで文字を追うこと。首を上下させたり、指で文字をなぞったりしながら読まないように注意しましょう。読み直すときは、時間がかかっても大丈夫です。大事なのは、とにかく最後まで5回読み通すこと。繰り返し読むことで、最初は意味がわからなかった部分も少しずつわかるようになります。

黙読が望ましいですが、もちろん音読でもよいです。もし、お子さんが音読する場合は、親御さんが隣で聞いてあげてください。熟語の読み方が間違っていたら、ふり仮名を書かせる程度のチェックをしてもよいでしょう。

はじめは40%しか理解できなかった文章も、5回読み通すことで理解度が60%くらいに上がります。理解度100%を目指す必要はありません。また、読み終わったあとに内容について事細かく問いただす必要もありません。この作業を積み重ねていくことで、文章を最後まで読み通す力を養い、読むスピードを上げることが狙いです。

最後まで読む力がないと、時間のロスも大きい

国語が得意な子の多くは、文章を読んでいる途中に問題を解くことをしません。まずは文章全体を一通り把握して問題に取り組みます。解答の根拠になりそうな部分をチェックしつつ、とりあえず最後まで読むことを優先しています。

一方で国語が苦手な子は、傍線部や問題の箇所に出くわすたびに、読む作業を中断して問題に取り組みます。しかし、解答の根拠が傍線部から離れた場所に隠されていることもあります。そういった場合、気づかずに傍線部の近くから解答の根拠を一生懸命探しても、正解にたどり着けません。また、仮に正解を見つけたとしても時間のロスは大きいのです。

だからこそ、まずは文章を最後まで読むことが大事です。速く読むことができれば、解答を考える時間も確保できます。全体の情報を素早く、確実につかむこと――これが読解問題で求められるポイントです。

国語は焦らず取り組む

国語の読解問題は、文章が毎回違うため、未知のものに対応する力が問われます。対策が立てにくく、本質的な勉強をじっくりとおこなう必要があります。ポイントとなるのは「文章を最後まで読めるかどうか」ということ。

そして安易に頼るべきではないのは、「○○だったら××すればOK」というようなテクニックです。出題者側は、そうしたテクニックに頼ろうとする受験生が間違えやすいように問題をつくっていたりします。

国語の模試に臨むとき、そして復習するときには、次のポイントを意識してみてください。

・試験では問題全体を見渡して、できる問題から解いていく
・知識問題は例文と意味をセットで覚える
・読解問題は5回ずつ読み直す

国語は結果が出ないことに焦りが出やすい科目ですが、できることからじっくりと取り組んでいきましょう。

次回は、「理科・社会の取り組み方」についてお伝えします。


これまでの記事はこちら『親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

※記事の内容は執筆時点のものです

亀山卓郎
亀山卓郎 専門家・プロ

かめやま たくろう|明治学院高等学校、成城大学卒業。大手塾・個人塾などで教務経験を積んだ後、2007年に転居のため千葉県及び江戸川区の塾を閉鎖し、台東区上野桜木で「進学個別桜学舎」をスタート。首都圏模試の偏差値で60を切る学校への指導を専門に「親子で疲弊しないノビノビ受験」を提唱している。TJK東京私塾協同組合理事、第一薬科大学付属高校上野桜木学習センター長。著書「ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す」(現代書林)

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。

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