連載 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

中学受験生の土日の勉強量とは ―― 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

専門家・プロ
2019年10月31日 やまかわ

中学受験と聞くと、難関校を目指す受験がどうしてもイメージされます。しかし、そうではない、あるいはそのやり方に疑問をもつご家庭は少なくないでしょう。この連載では、『ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す』の著者である亀山卓郎先生に、親子で疲弊しない中学受験をテーマにさまざまなお話を伺います。

前回は、「家庭学習の親の役割」について説明しました。今回は、中学受験生の土日の勉強量について解説します。

5年生の土日は4~5時間ほど勉強する

難関校を目指さない子であっても、5年生は土日の午前9時から正午までの時間は勉強してほしいですね。午前中は一番頭がさえている時間ですから、集中力が必要な算数や国語がおすすめ。日中は遊んでもOKです。

夕飯のあとは、1~2時間くらい宿題に取り組む時間をつくりましょう。お風呂に入って寝るまでの時間は、その日の疲れや眠気も出てきます。そのため、この時間に勉強するのは暗記がメインの理科・社会が良いですね。理科・社会は、ムリして机に向かう必要はありません。リビングで親御さんと話しながらでも良いので、ゆっくりと知識を頭に入れていきましょう。

朝の3時間、夜の1~2時間と聞くと、勉強量が少なく感じるかもしれません。しかし、ハイレベルの学校を目指さない子であれば、土日に4~5時間勉強する程度で大丈夫です。ただ「お昼まで寝て午後から勉強」というのはNG。休日であっても、平日と同じ生活サイクルで過ごすようにしましょう。

6年生の土日は6時間ほど勉強する

6年生は受験学年のため、難関校を目指さない子でも、5年生のときよりは土日の勉強時間を増やしましょう。ポイントは、朝起きた直後に勉強すること。起きてすぐ勉強することで、気持ちを‟勉強モード”に切り替えられます。午後は息抜きで遊んでも良いですが、まったく勉強せずに遊び続けるのは避けたいですね。15~16時くらいまで遊び、そこから夕飯まで勉強するのがおすすめです。夕飯のあとは、見たいテレビを見てリフレッシュするのも良いでしょう。ただお風呂に入ったあとは、寝るまでの時間は勉強するようにします。朝、夕方、夜に2時間ずつ勉強できると、合計で6時間くらい勉強できるはずです。

受験勉強には息抜きも必要

土日は、根詰めて勉強してしまいがちです。しかし、決まったサイクルで休憩をとることは意識しましょう。子どもの集中力は、だいたい40分が限界といわれています。そのため、3時間勉強するときは、「50分勉強→10分休憩→50分勉強→10分休憩(軽いストレッチなど)」といったサイクルで勉強するのがおすすめです。また、息抜きにまとまった時間をとることも必要です。私の塾の子には、土日に時間をとって友達と遊んだり、趣味に打ち込んだりする時間も大切だよ、と話しています。

「勉強キャパ」を増やす経験をつくる

勉強する体力・集中力のことを、私は「勉強キャパ」と呼んでいます。「勉強キャパ」を増やすためには、学習塾の合宿に参加してみるのもおすすめです。朝から晩まで勉強漬けの日々を過ごすことで、知識が身につくだけでなく、体力と集中力も身につくものです。これほど極端な経験をしてみると、休みの日に6時間しかできなかった勉強が、合宿後には7~9時間くらい平気になるということもあります。

小学校生活も大切にしながらバランスの良い受験勉強を

中堅校志望の子も土日の勉強は必要ですが、難関校志望の子のようにストイックになるべきか、と言われるとそうでもありません。中学受験生になると、遊びや趣味の時間を絶って勉強のみに集中してしまいがちですが、長い目で見ると小学校生活を充実させることは大切です。勉強はもちろん、学校行事を頑張ったり、友達との時間を大切にしたり、小学生のあいだでしかできないこともしっかり楽しんでほしいと思います。それは、今後の人生を支える一生ものの思い出になるかもしれません。

勉強面では、通っている塾に合宿があれば参加して「勉強キャパ」を広げられると良いですね。また土日の家庭学習は、適度に休憩を入れつつ、勉強するときは集中して取り組みましょう。リフレッシュの時間と勉強する時間、その両方を大切にすることが、中学受験勉強をムリせず続けられる秘訣といえるでしょう。


これまでの記事はこちら『親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

※記事の内容は執筆時点のものです

亀山卓郎
亀山卓郎 専門家・プロ

かめやま たくろう|明治学院高等学校、成城大学卒業。大手塾・個人塾などで教務経験を積んだ後、2007年に転居のため千葉県及び江戸川区の塾を閉鎖し、台東区上野桜木で「進学個別桜学舎」をスタート。首都圏模試の偏差値で60を切る学校への指導を専門に「親子で疲弊しないノビノビ受験」を提唱している。TJK東京私塾協同組合理事、第一薬科大学付属高校上野桜木学習センター長。著書「ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す」(現代書林)

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。

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