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過去問を解き始めています。科目別で算数だけ受験者平均を超えません|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2019年11月08日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小6受験生の親御さんから、過去問についての相談です。

今回の相談

併願校の過去問(5校分を各数回)を解き始めました。子どもは四谷大塚偏差値60前後です。合格者最低点はいつも超えるのですが、科目別で見ると算数だけは受験者平均を超えません。あと1問正解なら超えるのに。

時間が間に合わず解けないことはないのですが、焦ってしまうようです。あと計算が面倒くさい問題も苦手です。一問にかけられる時間はわかっているようですが。

小問題でのミスもあります。残された時間で出来ることは何でしょうか? 桜井さんの最難関算数教室を読んでいますが、難しい問題を知る以前にすべきことがある気がしています。よろしくお願いします。

相談者:りんごママ
お子さまの学年:小6

 


桜井さんの回答

りんごママさま、はじめまして。

受験者平均点を越えて欲しいと一番願っているのは誰でしょうか? よく考えると、お母さまではないでしょうか。合格したいというだけでなく、受験までに安心したいというわけですね。なるほどぉ~(笑)。

現状で合格者最低点は越えているのですね。まずまずではないですか。だってその合格者最低点って、1月の中旬とか2月のものでしょう。その年にギリ合格した子の11月はもっと低かったかもしれませんよ。受験の前日まで上積みすることを許されているのです。まだいくつも穴を埋めることができるじゃないですか。心配点といえば、本番の問題にことごとく嫌われたときだけですよ。そのときは「進学すべきはこの学校じゃない」ということだと思います。特に算数は慣れが必要な科目だと思うのです。

そこでちょっと気になるといえば、「5校分の対策」という点。小学生ですから、5校も対策すればもうごちゃごちゃだと思いますよ。受かりたいと強く願う学校があり、その学校のボーダーライン上に手をかけているのなら、私ならその学校の対策に大きく比重をおきます。偏りを覚悟しますね。まんべんなくやりたい、第一志望校が不合格でも第二志望校は死守したい、第三志望校も受かっておきたい、その気持ちはとてもよくわかりますが、力が分散されますよね。ここをどう考えるかです。

また、お子さんが焦ってしまうというのはどこから得た情報でしょうか。ひょっとして、子どもがそう言ってたという話ではないでしょうか。もしそうだとしたら、小学生の口から出る言葉をそのまま真に受けてはいけません。実際の状況を説明しているとは限らないからです。

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オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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