連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

学年別 春期講習で力を伸ばすには|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2020年3月18日 石渡真由美

もうすぐ各塾では春期講習が始まります。春期講習は、新しい学年を好スタートで切るための大事な授業。各学年のポイントをお伝えします。

【新4年生】学習習慣を身につけるための訓練をする

3年生の2月からスタートした中学受験生活も1カ月が過ぎました。今年は新型コロナウィルスの影響で、休校になった塾もあるようですが、今のところ春期講習は実施する予定の塾が多い印象です。

新4年生の春期講習は、2・3月に習った内容の復習が中心となりますので、内容はそれほど難しくはありません。また、日数も6日間程度と短めです。新4年生の春期講習は、これから本格的に始まる中学受験の勉強の学習習慣を身につける訓練をするのに適しています。例えば午前中に塾の春期講習があった場合、午後はいつ勉強し、いつ遊ぶか、親子でスケジュールを立ててみましょう。それを予定通りできるようにすることが、この春休みの目標です。

中学受験の勉強は、毎日計画的に進めていかなければなりません。学年が上がっていけば自然にできるようになるだろうと思っている親御さんは少なくありませんが、子どもは基本ラクな方へ流れていきますので、今の時期から学習習慣を身につけておくことが大事です。とはいえ、3年生の春休みからガツガツ勉強をする必要はありません。外遊びをするなど、楽しい時間を過ごすことも大切です。

【新5年生】4年生の総復習をし、基礎学力をしっかり身につける

新5年生の春期講習は、4年生までの総復習プラス 2・3月の復習を行います。中学受験における4年生の学習は、基礎的な内容となりますので、ここでしっかり理解度を高めておきましょう。算数なら分数・小数の計算、和差算・倍数算の線分図を書けるようにしておくことが大切です。これらを苦手なままにしておくと、5年生からの応用問題を解くことができません。また、5年生になると、中学入試で重要単元となる「割合」や「比」「速さ」が登場します。これらのベースとなるのも4年生の学習です。そこでつまずかないためにも春期講習では算数を重点的に勉強しましょう。

算数の次に力を入れたいのが社会です。地理の勉強は4年生から始まる塾が多いですが、入試に出るような本格的な勉強は5年生になってから。本格化する前に、都道府県と県庁所在地は完璧に覚えておきましょう。その際、地名はすべて漢字で覚えておくようにします。

中学受験の勉強は、3年生の2月から始める子が圧倒的に多いのですが、なかには5年生から始める子もいます。5年生から塾通いをスタートさせた子は、まずは塾の授業についていくことが先決です。春休み中に塾のテキストを見ながら、親御さんがフォローアップしてあげてください。特に算数は小学校では習わないものがたくさんありますから、春休み中にしっかり勉強し、スタートを合わせるようにしましょう。

【新6年生】社会は地理・歴史を総復習するチャンス

新6年生の春期講習は、5年生までの総復習となります。塾によっては、5年生のうちに受験に必要な単元はほぼ終えているところもあります。6年生からは演習が中心の授業になるため、春期講習での復習がとても重要です。

社会は5年生までに地理と歴史をすべて勉強し終えます。6年生の1学期は公民に入るため、その学習で手一杯になるでしょう。春休みは地理と歴史を復習する絶好のチャンスです。逆にここを逃してしまうと、夏休みまでなかなか取りかかることができません。中学受験における社会の知識量は膨大です。6年生になると、通塾日が増え、模試の回数も増えていきます。また、秋からは過去問の対策もしていかなければなりません。入試まであと1年あると思っていても、意外と社会の勉強をじっくり取り組む時間がないのです。

中学受験の勉強は、どうしても算数が中心になりがちです。算数が得意だと、得点力を上げられるからです。一方、後回しにしてしまいがちなのが国語です。国語は算数のように、苦手単元を強化して成績がぽんと上がるわけではありません。国語の成績を伸ばすには時間がかかります。

国語の成績を伸ばすのに、最適な学習が音読です。音読は一字一字丁寧に読む習慣がつきます。4年生のうちは音読をしていた子も、学年が上がるにつれ勉強量が増えてくると、宿題を終わらせることに目が行き、丁寧に読むことをしなくなります。しかし、国語力を伸ばすには丁寧に読むことが不可欠です。なかなか成績が上がらないで困っているなら、ここでもう一度、音読に立ち返ってみましょう。すぐに成果は出ないかもしれませんが、続けていくことで必ず効果が出ます。

新4年生・5年生・6年生それぞれ、今必要な学習をしっかり行い、この春休みを有意義に過ごしましょう。


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※記事の内容は執筆時点のものです

宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)
『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)
『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)
『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。

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