不要な負担を取り除く分別思考とは ―― 中学受験との向き合い方
受験することを決意する、塾を選ぶ、志望校を決める ―― 中学受験では、親子で意思決定をしなくてはいけない局面がたくさんあります。しかし親子とはいえ違う人間同士です。考えが読み取れなかったり、誤解が生じたりすることもあるでしょう。こうした食い違いは、分別思考ができていないことが原因の場合が多いです。以前、異なるものをごっちゃにしない分別思考の一例を紹介しましたが、今回からはさらに詳しく分別思考について考えてみましょう。
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「変えられることと」と「変えられないこと」を分別する
たとえば子供がテストで親にとって満足のできない点数をとったとき。
テストに向けての子供の準備行動や、テスト場面での答案作成は親には変えられません。叱ったりおだてたりして影響を及ぼそうとすることはできても、最後の行動は子供のすることです。一方、満足するかどうかは親の気持ちですから、親が変えられることです。
変えられないことを変えようとして躍起になったり、不機嫌になったりすることが効果を生むでしょうか?
そうではなくて、親は自分が変えられること(=自分の感情や行動)をコントロールして適切な助言をしたり環境や条件を整えたりしてみましょう。その結果子供がやる気を起こし、適切な方略で努力すれば、これから受けるテストはもっと高得点が狙えます。既に出た結果は変えられなくても未来は変えられるのです。「馬を水辺に連れていくことと、水を飲ませること」の違いを分別しましょう。
「想い」と「事実」を分別する
これは情報の取り扱いの基本のキです。たとえば今、私たちの周囲に流れている新型コロナウィルスに関連する情報。真偽が混乱し、情動(想い)と情報が混ざり合い、マクロな情報とミクロな情報もごっちゃになっています。とりわけ、不安などの情動に汚染された情報は誇張されたり、過小評価されたりして実態の正確な把握と適切な対処行動を阻害します。ここでは「想い(情動)と事実」という切り口で、中学受験に即したシチュエーションを考えてみましょう。
ツッコミを入れて想いと事実を結びつける
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