国語ができなくて、算数が伸びる子はいない 入塾前から家庭でやっておきたい2つのこと|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと
中学受験を突破するために、国語力・読解力は欠かせません。なぜなら、すべての科目は日本語で書かれていて、その意味を理解しなければ解けないからです。では何をすればその力を伸ばせるのでしょうか。中学受験専門塾で長く教えている先生に、家庭でやっておきたいことを聞いたので紹介します。
読解力を伸ばすには、読み聞かせが効く
[1]読み聞かせ
読解のスタートは、言葉を聞いて情景をイメージすることから始まります。その訓練に一番良いのが読み聞かせです。お子さんが小さい時には、絵本の読み聞かせをしたと思いますが、子どもは耳から入ってくる言葉を聞きながら、挿絵を見て情景を思い浮かべています。それが大事なのです。
国語の問題を解くときにも、読みながら場面を思い浮かべて情景を想像し、登場人物が動き出さないと読解はできません。幼児期から聞く機会をできるだけたくさん作っていると、情景をイメージする力がつきます。自分で読めるようになっても、毎日5分でも10分でも、本を読んであげましょう。
本の選び方にも順番があります。小学校低学年のうちは挿絵のある本を選んでください。子どもは、わからない言葉がでてきても、挿絵からの情報と合わせて、場面を想像して理解することができます。学年が上がるにつれて、挿絵のないものも情景を思い浮かべながら読めるようになります。いきなり難しい物を与えず、この順番を踏むことが大切です。
「読解力をつけるのに、読み聞かせがいい」というお話は、私は目からウロコでした。反対に、動画は読解力を伸ばすことにはつながらないそうです。動画は想像をする余地がほとんどありませんし、受け身になるからです。今は動画を見せているご家庭が多いと思いますが、夜寝る前に10分、読み聞かせタイムを設けてみてはいかがでしょうか。読解力を伸ばすだけでなく、親子関係を深めるかけがえのない時間にもなるでしょう。
いい文章を書き写すと、国語力が伸びる
[2]書き写し
小学生になったら、書き写しをおすすめします。意味がわからなくても大丈夫。書き写しながら、いい文章のリズムを体に刻むことに意味があるのです。そこから自分の文体を作れるようになります。
書き写しの学習では、基本的にお手本にする文章をそのままそっくり書き写します。漢字で書かれている文字は漢字で書き、段落の分け方も、手本のとおりにします。できるだけ名作といわれるもので、漢字まじりでルビがふってある本を与えるといいでしょう。
江戸時代の子どもたちも、寺子屋で意味はわからなくても論語をそらんじて書き写していました。それと同じです。知らない間に、言葉がストックされて内容が理解できるようになります。最初は大変かもしれませんが、必ず力がつきます。実際、国語が苦手で1行書くのがやっとだったある生徒は、毎日400字の書き写しを3〜4カ月続けたら、格段に国語力が身につきました。ぜひやってみてください。
大人でも文章上達法のひとつに、書き写しというのがあります。好きな作家の文体を真似ていると、自分でも同じような文体が書けるようになっていくのです。また読むよりずっと丁寧にお手本を見るので、内容も頭に入ります。書く力と読む力は連動しているのですね。また、間違わないように書き写すには、注意力や集中力も必要ですから、その訓練にもなります。
書き写すときには、姿勢を良くして丁寧に書くようにしましょう。やってみるとわかりますが、姿勢を保って文字を書くのはかなり筋力とエネルギーを使います。長続きするように、できる量から少しずつ始めてみましょう。
国語ができなくて算数が伸びる生徒はいない
先生は「国語ができなくて算数が伸びる子はいないが、国語力が伸びれば、算数もできるようになる」と言います。なぜなら、問われている意味が理解できなければ、解くことはできないから。社会や理科も同じ。国語力のある子は、最終的に伸びていくと明言されていました。
算数が嫌いな子もパターンに当てはめて解くのではなく、説明文を読み解くように問いていくと、できるようになるそうです。逆に単に公式に当てはめて解く練習だけをしていると、初めてみる問題や複雑な問題は解けなくなります。
特にこれからは、記述式の問題や思考力を問う問題が増えていくので、小さい頃からこのような訓練をしておくことが中学受験で成功するためにも大切です。しかし、親が訓練と思って強制的にやらせると嫌になってしまうので、あくまでもお子さんが楽しめるように工夫をしてくださいね。
これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと』
※記事の内容は執筆時点のものです
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