[地学分野]身近な気象「フェーン現象」のしくみと、入試問題での扱われ方|なるほどなっとく 中学受験理科
前回に続き、地学分野から気象をテーマに掘り下げます。今回は「フェーン現象」。例年ニュースでも話題になるこの現象について小川先生が解説し、入試の問題での扱われ方や解答のポイントも伝えます。
フェーン現象のしくみと、入試での扱われ方
近年は夏になると各地で最高気温更新のニュースが話題になります。その原因のひとつが「フェーン現象」といわれています。フェーン現象とは、空気が山を越えて風下側に吹き下りるときに、風下側の空気が風上側よりも乾燥して気温が高くなる現象です。
フェーン現象の問題を解くためには、まずそのしくみを理解する必要があります。空気が山にぶつかって上昇するとき、100m上昇するごとに気温が約1℃下がります。空気中には水蒸気が含まれていますが、空気が上昇すると、冷やされた空気に含みきれなくなった水蒸気が水滴となって出てきて雲ができます。このとき水滴が出始める温度を露点といいます。
雲ができると100m上昇するごとに気温が約0.5℃下がります。雲ができた空気がさらに上昇し、雨などを降らし、水蒸気が減った空気が山を越えます。このとき山を下る空気は、高度が100m下がるごとに温度が約1℃上昇します。そのためふもとでは気温が高くなり、湿度は下がります(※)。
※実際のフェーン現象では、雲が上昇する過程で雨が降らないケースもあります。また、気温によっては雨でなく雪になる場合もあります。入試問題では、考えやすいように、現象を簡略化しているのが一般的です。
フェーン現象を扱った典型的な問題として、
とじる
お気に入り機能は
会員の方のみご利用できます
会員登録のうえログインすると
お気に入り保存できるようになります。
お気に入りのコンテンツは、
マイページから確認できます