学習 連載 「国語力」が、中学受験を左右する!

新4年生向け国語学習のスタート手引|「国語力」が、中学受験を左右する!

専門家・プロ
2021年2月02日 水溜 兼一(Playce)

本連載では、国語の講師として、中学受験を目指す子どもたちを長年指導している南雲ゆりか先生が、国語力アップにつながるさまざまな方法を紹介します。

2月から新4年生として入塾し、中学受験に向けて学習をスタートするお子さんもいらっしゃるでしょう。今回は、学習スタートのこの時期に心掛けたいことやスケジュールの立て方についてお伝えします。

いきなりたくさんの課題が……。まず考えるべきことは?

新4年生が入塾すると、最初の授業や保護者会で各教科の先生から「これからどんな課題を出していくのか」「塾からの課題以外に家庭で取り組んでほしいこと」などの説明があると思います。その内容やボリュームはクラスによってさまざまですが、「やらなければいけないことが多過ぎて大変だ」と感じる方が多いかもしれません。

塾の課題も、宿題として提出しなければならないものと、提出はしなくてよいがやっておくように指示されるものがあります。何を優先すべきか迷うところですが、宿題として提出するものと、塾で定期的にテストが行われる知識事項の学習はまず取り組むべきです。塾から言われたことをすべてやるとなると難しい場合もありますから、保護者の方が、「やらないといけないこと」「やれるとよいこと」「いまは取り掛からないこと」をきちんと決める必要があります。判断に迷うときは塾に相談してアドバイスをもらうのもひとつの方法です。

保護者のなかには、子どもを塾に入れたら後はすべて塾におまかせというスタンスになってしまう方もいらっしゃいます。日々忙しいですし、家庭学習のフォローまでなかなか手が回らない事情もあると思いますが、中学受験に向けて勉強を始めたばかりの4年生が、初めから自分で学習のペースをつくっていくことは難しいものです。ですから親が主導で、親子で相談しながら学習ペースをつくっていきましょう。

スケジュール表をつくり、学習ペースを整える

学習のペースを整えるためにぜひおすすめしたいのが、スケジュール表の作成です。手書きで構わないので、各教科の先生から出された課題を把握したうえで、いつ何に取り組むか、子どもと相談しながら組み立てみてください。ここでは作成するうえでのポイントをいくつか紹介します。

4年生のスケジュールの例

学習内容はある程度具体的に書く

可能であればテキストのページ番号を入れたり、何番の問題を解くか具体的に入れたりすることです。やるべきことを子どもが把握できますし、やり終えたときに達成感も得られます。サンプルの表では「復習」「宿題」などと表示していますが、ここには実際に出た宿題の問題の番号、たとえば、「応用問題1~3」など、その都度書き込みます。スケジュール表には、国語の漢字や語句知識の学習などコンスタントに取り組むべきものも書いておきます。

盛りだくさんにしない

スケジュール表を作成する際、空白のないように埋めたくなりますが、むしろ空白を作っておいて、前の日にできなかった課題をそこに移動させるなど、融通が利くようにして、1週間単位で目標を達成するようにします。計画段階であれもこれもと盛り込むと、結局どれもこれも実行できなくなってしまうので気をつけましょう。

学習時間は書かない

スケジュールを立ててもいつも守れなければ、スケジュール表が形骸化してしまいます。「夜7時から8時まで」といったように時間を書いて縛るのは、あまり現実的ではないでしょう。ほかの都合で学習できないこともありますし、課題が早く終わることもあります。やることだけ決めておいて、終わったら遊んでいい、もしくは、遊んだ後でもいいからスケジュール表に書いてあることだけはやろうと子どもと約束する方が現実的です。

塾のある日は家庭学習をセーブする

塾の授業は通常、夕方以降なので、帰ってから長時間勉強するのは大変です。塾のある日は家での学習は控えめにすることもポイント。ほかにも、学校のスケジュールや習い事も頭に入れ、校外学習や、発表会などのイベントの前後は学習量を絞ることも心掛けましょう。

スケジュールは1週間ごとに見直す

スケジュールに書き込んだ学習予定をどれくらい取り組めたかを1週間ごとにチェックして、子どもがこなせる分量を見極めて翌週の学習内容を調整します。これを繰り返すことで、自分の子どもが確実に取り組める学習のボリュームが見える化でき、学習ペースの確立に役立ちます。

国語は知識事項の学習を優先する

他教科の学習のことも考えると、国語の家庭学習は毎日やる必要はありません。目安としては、読解であれば週2回程度で、合計2時間ぐらいが現実的です。塾の国語の授業は読解が中心で、漢字、ことわざ、慣用句などの知識事項は宿題となり、のちに小テストでチェックするケースが一般的です。塾の宿題と授業の復習以外では、知識事項をコンスタントに学習していくことをおすすめします。

漢字学習と、読解問題の解き方・答え方の基本ルールを夏までに身につける

入塾後、夏までの国語の家庭学習では、漢字やことわざなどの知識をしっかり身につけることを意識してください。特に漢字は、4年生では覚えるコツをまだつかめず、図形として捉えてしまうため、書けるようになったつもりでもすぐに忘れるなど、定着が悪いケースが目立ちます。

学習を進めるうちに漢字の成り立ちや意味を理解したりすることで、覚え方もわかってきます。そこに到達するまでは時間がかかることを認識ください。漢字は塾の教材を使い、テスト形式でアウトプットしながら、コツコツと覚えていきましょう。ことわざは、塾教材の他にも漫画で覚える教材や問題集などがありますのでそれらを活用してみるのもおすすめです。

読解問題については、きちんと本文を読んだうえで問題を解いているかチェックすることが大事です。4年生の前半で取り組む読解問題は、素材文の内容が比較的易しく、設問もシンプルなものが多いので、本文をよく読まずに勘で解いても正解してしまうことがあります。しかし、このような解き方をしていると、5年生以降、文章が長文化してテーマも難しくなると、問題が解けなくなります。

また、書き抜き方など解答のルールも夏ぐらいまでにはきちんと身につけたいところです。保護者の方も、テキストの問題の解答解説は目を通して、子どもと話をしながら確認してください。

最後に、国語学習ではやはり読書が大事です。一日10分でいいので読書をする習慣をつけましょう。読む本やページ数をスケジュール表に入れることもおすすめします。


これまでの記事はこちら『「国語力」が、中学受験を左右する!

※記事の内容は執筆時点のものです

南雲ゆりか
南雲ゆりか 専門家・プロ

南雲国語教室(東京都文京区)主宰。「正確に読む力、伝える表現力」の育成をモットーに小学生の指導にあたっている。東京都生まれ。横浜市の小学校教諭を経て、大手中学受験塾の国語科専任教師に。10年間、最難関コースの指導を担当するとともに、模試や教材の作成にも携わった。主な著書に、『笑って合格する!「中学受験」必勝法』『中学受験の合否を決める! 考える力がつく「国語」勉強法』(いずれもダイヤモンド社)『名探偵コナンの12才までに身につけたい本物の漢字力 1026字』(小学館)がある。現在、朝日小学生新聞で「楽読み楽解き国語の時間」、朝日新聞EduAで「国語のチカラ~読解力アップの教科書~」を連載中。

この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。

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