鉄はなぜ磁石にくっつく? 磁石の中身を知る|なるほどなっとく 中学受験理科
専門家・プロ
2021年8月31日
水溜 兼一(Playce)
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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。
入試理科では、理科的思考力が求められます。子どもの理科的思考力を養うためには、普段から身の回りのいろいろな事象に興味を持ち、その原因を理科的視点で捉える姿勢が大切です。今回は、身の回りのモノの中から「磁石」にフォーカスして、小川先生にお話いただきます。
磁石は、小さな磁石が集まってできている
入試の理科では、磁石の問題が出ることがありますが、磁石の仕組みをご存じでしょうか? 磁石の性質を持つ金属は限られていて、代表的なものが鉄です。ほかにもニッケルやコバルトなどがありますが、金や銀、銅やアルミなどは磁石の性質を持ちません。
理科の授業で扱う棒磁石もU磁石も鉄でできていますが、なぜ鉄が磁石の性質を持つのでしょう? 実は棒磁石やU磁石をどんどん細かくしていくと、磁石の性質を持った小さな磁石になります。この小さな磁石を「分子磁石」と言います。鉄の中にはこの分子磁石があるのです。
でも、身の回りの鉄、たとえば鉄棒は、ものをくっつけませんね。棒磁石も鉄棒も同じ鉄でできているのになぜでしょうか?
鉄に含まれる分子磁石は、通常はいろんな方向を向いています。鉄棒の鉄は、下図のような状態になっているのでN極もS極もなく、ほかの鉄などはくっつきません。
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