中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

強気な受験は要注意。中学受験は親のリベンジの場ではない|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年2月24日 石渡真由美

2022年の中学入試が終わり、新6年生(現5年生)はいよいよ受験年を迎えます。高い目標に向かって努力をし続けるのは素晴らしいことですが、現状の学力を無視した強気な受験は要注意。幸せな中学受験にできるか否かは、親御さんの冷静な判断にかかっているのです。

併願戦略を間違えると全落ちになることも

2022年の中学入試が終わり、現6年生は4月からそれぞれの学校へ進学します。第一志望校に合格し、意気揚々と中学生活をスタートする子、志望していた学校がほとんど不合格で、唯一受かった学校に進学する子などさまざまでしょう。「子どもは順応性が高く、どんな環境でも楽しめる」と言う方もいますが、実際はそれほど単純ではありません。中学受験で失速してしまい、中学に入ってから学校生活を楽しめずに辞めてしまう子は、どの学校でも一定数いるからです。わが子のために良かれと思って挑戦させた中学受験で、子どもの勉強に対する意欲や自己肯定感を下げてしまうことほど不幸なことはありません。

近年、首都圏では中学受験が過熱しています。中学受験をさせる理由はさまざまですが、なかでも、いまだに目立つのが、できるだけ偏差値の高い学校へ入れて、大学受験を有利にしたいという親の考えです。そういうご家庭では、「わが子に合った学校はどこか」「わが子を伸ばしてくれそうな学校はどこか」という視点が欠けていて、とにかく偏差値の高い学校へ入れようとします。そのため併願校選びにおいても、強気な受験をしてしまうのです。

しかし最近の中学受験は、午後入試を実施する学校が増えたことなど受験日や受験回数に変化があり、併願戦略が極めて重要になっています。以前は、「何度不合格になってもチャレンジし続ける」という強行パターンが多かったのですが、受験日が後になればなるほど、募集定員数が減り、かつ上位層の子達が“おさえ”として受験をするので、合格のハードルが上がっていきます。さらに、最近の上位層は戦略的にあえて格下の学校を受験する人が増え、成績中堅層がそのあおりを受けて、厳しい戦いになっています。そのため、「このくらいの偏差値の学校なら受かるだろう」「何回か受ければ、あわよくば合格できるかも」といった考えが通用しなくなっているのです。

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宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。