
中学受験で子どもが精神的に疲弊している? 見逃せない5つのサイン|今一度立ち止まって中学受験を考える
わが子のためを思って挑む中学受験。しかし当の子どもは、「勉強がつらい」「もう嫌……」と思っていることもあります。そういった状態で中学受験勉強を続けると、子どもから疲弊のサインが出かねません。お子さんの受験をサポートする親御さんは、この徴候を見逃さないでください。
中学受験は特殊。SOSを見逃さないで
わが子のやりたいことは応援し、やりたくないことは無理にやらせたくない。多くの親御さんはそう思っていることでしょう。たとえば、嫌がる子どもに無理やりバンジージャンプをさせる、なんてことはしませんよね。ところが、なぜか中学受験の場合、「この子の将来のため」「教育だから」という理由でOKになってしまう。
少子化で子どもが減っているにもかかわらず、都市部を中心に中学受験者数は増加傾向です。「まわりの子がみんな受験をするから」「うちの子だけしないのは将来的に不利になるのでは」「大学入試改革でこの先が不安」などの理由で、中学受験を選択する家庭は増えています。もちろん、こうした考えもわが子を思ってのことでしょう。
私自身、中学受験経験者で、その指導をしているくらいですから、中学受験の良さは十分に理解しています。他方で、デメリットも実感しています。中学受験はわずか10〜12歳の子が挑戦する特殊な受験です。子どもの成長速度には、個人差がありますから、精神的に未熟な子もいます。そういった子が毎日のように塾に通い、目標を持って日々努力を続けるのは、並大抵のことではありません。
幼い子の受験をサポートし、中学受験をやり抜くには、親御さんにも相応の覚悟や勇気がいるものです。
「子どもから『中学受験をしたい』と言い出したので始めた。だから頑張ってもらわないと……」
そのように言う親御さんがいますが、私のこれまでの経験から言って、本当に自分の強い意思で「中学受験をしたい!」という子はごくわずかに感じます。たいていの場合、「仲の良い友達が塾に行くから」「みんながするから」のような、子供らしい単純な理由で中学受験勉強を始めるものです。また、親御さんは無自覚かもしれませんが、無意識のうちに中学受験をさせるように誘導していることもあるわけです。
いずれにしても、今の中学受験は親御さんが思っている以上にハードなのは確かです。だからこそ、親御さんは子どものSOSを決して見逃さないでほしいのです。
子どもが精神的に疲弊している5つのサイン
一般的に中学受験の準備は、塾の受験カリキュラムがスタートする小学4年生(2月)から始まります。4年生のうちは、基礎的な内容が中心となるので、極端に落ちこぼれてしまうことはあまりありません。
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