中学受験ノウハウ 連載 中学受験との向き合い方

読者相談#3 なかなかやる気を見せない息子にイライラします。転塾も考えていますが、不安です ―― 中学受験との向き合い方

専門家・プロ
2022年6月25日 やまかわ

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首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。

先日、読者から以下のような悩みの相談を受けました。

■ニックネーム

とっしー

■子供の学年

小5 男子

■相談内容

小4から中学受験塾に通っている息子の件で相談です。

勉強嫌いで、なかなかやる気が出ず困っています。それに対して、私ども夫婦もイライラしています。

息子は塾のテストで悪い点を取ったり、言われなければ宿題をやらなかったりして妻に怒られています。怒られたその瞬間は嫌そうな顔をしますが、理解したような様子をみせて、一時的にやる気を見せます。でも、すぐにダラけてしまいます。もってその日くらいで、YouTubeやテレビを見ている時間が多いです。

怒らずに、良いところを見つけてほめる手法も試したのですが、全然手応えがありません。低きに流れるというか、わかりやすい快楽に抗えない印象です。成績もじわじわ下降していて、妻が怒る頻度も増えている気がします。私もそのイライラがわからなくもなくて、どうしたらよいものかと……。

転塾も視野に入れていますが、転塾しても結果が変わらないような気がしていて悩んでいます。どこからどう変えていけばよいか、何かアドバイスをいただけると幸いです。

相談内容を拝読して私が気になったのは、この文に「書かれていないこと」です。

私としては受験を終えたときに、家族みんなで「中学受験をやってよかったよね」と、笑い合い、そこまでやり抜いた経験を称え合えることをゴールにしてほしいと思っています。

まず、私が気になったことについてお話ししながら、親子で中学受験に取り組んでいくためのポイントをお伝えできればと思います。

子供にとって中学受験は何なのか?

私が気になった相談文に書かれていないことというのは、「お子さんにとって、中学受験って何なのか」です。

あくまでも文面からの推測でしかないのですけれども、お子さんにとって中学受験が「親に言われてやるものになっている」と感じます。もしお子さんがそう思っているのであれば、一連の振る舞いにも理解ができます。

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田中純

田中純

  • 専門家・プロ

開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所付属晴和病院、中高教諭、学校カウンセラーを経て公文国際学園開講準備に参加。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所、コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク(CNN)などでカウンセリングやコンサルテーションを行っている。相性はDon先生。著書「ストレスに負けない家族をつくる」「中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由」(みくに出版)。公式YouTubeはこちら

やまかわ

  • この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。