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理科学習では、何を覚えるべきか?【前編】|なるほどなっとく 中学受験理科

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

理科は暗記教科と考えている親御さんは多いようです。しかし小川先生は、「暗記すべき事柄は限られていて、その数はみなさんが思っているよりも少ない」と言います。では、何を覚えるべきなのか? 今回は生物分野を例にお話しいただきます。

最低限覚えなければいけないものは?

理科学習は「とにかく暗記しよう、覚えよう」という姿勢の子がいます。しかし、なんでも暗記するのは、ちょっと違うと私は思っています。この連載で何度かお伝えしていますが、近年の入試は記憶力を問う問題は減少傾向にあり、理科的思考力を測る問題が増えています。

理科の中でも特に生物分野は、植物や昆虫をたくさん覚えなければいけないと考える受験生が多いようです。たしかに入試問題では、あまり聞いたことがない生物が出てくるケースもありますが、そのような生物がテーマの問題は、リード文でその生物について説明されることが一般的です。また、選択問題で聞いたことがない生物の名前が出てくることもありますが、このような場合も基本的な生物を覚えておけば正しい選択ができるケースが少なくありません。

ここで言う基本的な生物とは、小学校の教科書にたびたび出てくるものです。

下記の図は小学校の3~6年生の教科書における生物の名前の頻度を私がまとめたものです。この中で、どの教科書でもまんべんなく扱われ、かつ頻度が高いものが最低限覚えるべきものです。

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小川眞士

小川眞士

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小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。