中学受験ノウハウ 学習 連載 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

理科の力が伸びる「ジャイアンの料理」―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

2022年7月20日 菊池洋匡

自ら伸びる力を育てる学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生がおくる連載記事。「親子で楽しく試行錯誤することで、子供が伸びる」ということを、中学受験を目指す保護者さんにお伝えします。

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

「子どもには勉強好きになって欲しい」

これってほぼ全ての親御さんに共通する願いなんじゃないかと思います。

あなたもきっと、お子さんには勉強好きになって欲しいですよね?

子どもを勉強好きにするために効果的なのは、親自身が子どもと一緒に勉強を楽しむことです。

私の教え子でも、読書が好きで国語が得意な子は、親御さんも読書好きなことが多いです。

地理が大好きで鉄道オタクな子は、親御さんの趣味に影響されて一緒に鉄道好きになったそうです。

歴史好きな子は、親御さんに史跡巡りに連れまわされるうちに、自分も興味を持ったそうです。

親が楽しそうにやっていることは、子どもも興味を持つし、自然と好きになっていくものですよね。

ただ、こうしたことをお伝えしたときに、多くの方からいただく相談が、「子どもに理科を好きになってもらいたいのですが、自分も理科が苦手だったので、どうしたら良いかわからない」といったものです。

確かに自分が苦手だったものは、子どもと一緒に楽しもうと思ってもアイデアがなかなか浮かばないですよね。

そこで今回は、親子で楽しめる「科学料理」をご紹介します。

中学受験の理科でも出題される内容に、親子でチャレンジしてみてくださいね。

親子でチャレンジしてみよう!科学料理って?

今回ご紹介するのは「ムラサキキャベツ液」を使ったお料理です。

先に私のオンラインサロンでシェアされた完成品の写真からお見せします。


一見すると毒々しい色で、普段食べる食事ではあまり見かけない色ですよね。

ちょっと本能が食べるのを嫌がる色合いです(笑)

これはムラサキキャベツに含まれている「アントシアニン」というポリフェノールの一種による色の変化です。

ポリフェノールといえば、「カテキン」「イソフラボン」「カカオポリフェノール」「コーヒーポリフェノール」など様々あり、健康増進に効果的ということで有名ですよね。

「アントシアニン」は、ブドウやブルーベリーや赤ワインといった赤~紫色の食品に多く含まれています。

ムラサキキャベツも「アントシアニン」を豊富に含んでいます。

「アントシアニン」は酸性度(pH)によって色が変化するため、試薬として使われることがあります。

同じく試験に良く出題される試薬にBTB液がありますが、こちらは酸性:黄色、中性:緑色、アルカリ性:青色と3段階の色の変化なのに対して、アントシアニンはかなり細かく色が変化します。

試薬としては優れていますが、子どもにとっては覚えることが多くて大変です(笑)

出題されるから覚えなければいけないのですが、みんななかなか覚えられず、すぐに忘れてしまうのですね。

そこで、「中華麺の色が変わった!」という面白体験を通じて、思い出に残してあげてもらえると良いと思います。

やり方はとても簡単です。

カラフルな「ジャイアンシチュー」

ムラサキキャベツを刻んで煮出すと、ムラサキキャベツ液が出来上がります。

ムラサキキャベツ自体はコールスローサラダかマリネにでもしていただけると良いかなと思います。

そして、出来上がったムラサキキャベツ液を、中華麺にかけてください。

中華麺の中に含まれている「かん水」という成分がアルカリ性なため、麺が青緑色に変化します。

そのあとレモンを絞ると、レモンは強い酸性なので、今度は色が紫からピンクっぽい色へと変わります。

この「色が変わる」という体験は、子どもにとって実験をしているようでとても楽しいものになると思います。

めんはジャージャー麵にしたり焼きそばにしたりして食べると美味しく召し上がれますよ。

これからの季節だと冷やし中華も良いかもしれませんね。

できあがった料理を見た子どもは「ジャイアンシチューみたい」と言っていたそうです。

(ジャイアンは歌だけでなく料理も趣味で、しかも下手なんですが、ご存知ですか?笑)

思い出に残る1品になったみたいですね。

夏休みの自由研究としても活用できる!

余ったムラサキキャベツ液は、身の回りにあるいろいろなものの酸性度を調べてみるのに使うとますます楽しめるのではないでしょうか。

「弱酸性のビオレは本当に弱酸性なのかな?」

「普通の石鹸は何性なんだろう?」

「砂糖や塩やお酢は何色になるかな?」

ぜひ、いろいろ試してみてくださいね。

写真に撮ってまとめれば、夏休みの自由研究としても活用できるので、記憶だけでなく記録にも残してください。

こうした家庭のなかで出来るちょっとした工夫で、子どもの理科への興味の種を蒔くことができます。

親が細かい理科の知識を知らなくても、きっかけを与えて興味を持てば、子どもは勝手に自分で調べて成長していきます。

お子さんができるだけ小さいうちに、たくさんのきっかけ作りをしていきましょう。

他には、どんなことができそうでしょうか?

今月もまた試行錯誤していきましょう!

※記事の内容は執筆時点のものです

菊池洋匡
この記事の著者

中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。大学生時代にアルバイトで塾講師をはじめ、情熱を持って取り組むうちに、子供たちの成績を上げるだけでなく、勉強を楽しむ気持ちや困難を乗り越え成長していくマインドを育てる方法を確立。その後、15年の塾講師生活で生徒と保護者に「勉強には正しいやり方がある」ということを一貫して伝え続ける。著書に『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。

伸学会Youtubeチャンネル